トラブルの少ないインプラントポジションとは

インプラント症例

トラブルの少ないインプラントポジションとは

インプラントは失った歯を補う手段としては、大変優れた治療法ですが、その取り扱いには繊細さと正確さが必要とされます。
これを疎かにしてしまうと、将来インプラントが失われたり、口臭の原因になったりします。

インプラントの基本構造

インプラントは基本的に3つのパーツから成り立ちます。

インプラント埋入(インプラントのネジを入れる手術)の正しいポジションとは

インプラントの被せ物の理想的な形態は、インプラントを入れる前から既に決められています。これは、噛み合わせや隣の歯との調和、汚れが溜まりにくい形などを考慮すると、おのずと理想的な歯の形は決まって来るからです。

その被せ物から逆算してインプラントを埋入しないと、つじつまが合わなくなり無理が生じてしまいます。

つまり、インプラント埋入の位置が浅すぎたり、前後にズレているとインプラントの土台を歪な形にして補正し、つじつまを合わせることになります。

例えば下記の写真の様に、インプラントの埋入ポジションが適性だとインプラントの土台がなだらかな形態になり、歯磨きをしやすい環境になるため、汚れが溜まりにくく、被せ物にも無理が生じない形と言えます。

 

しかし、下記の写真はインプラントが左側に寄りすぎて、浅いポジションにあるので移行部が急角度になってしまっています。

この様な形態だと、急角度のくびれた部分は歯磨きがしにくく、汚れが溜まり口臭の原因になります。

また、インプラントが左側に寄りすぎた位置にあるので、下の写真の赤い矢印方向に噛む力が加わると、インプラントの支えが無い部分になるので構造的に弱くなり、被せ物が割れやすくなります。

(他院で入れられたインプラント)

この様に、インプラントのポジションはミリ単位で埋入する技術が無いとトラブルが起こりやすくなります。

当院では、最終の被せ物の位置をしっかり把握して、適切なインプラントのポジションで治療を行なっています。

当院でのインプラント埋入例

①矢印部分にインプラントを埋入していきます

②インプラントを埋入するホールを作っていきます。細い棒と太い棒でそれぞれのステップで位置や方向に間違いがないか注意深く確認します。

③インプラントを埋入するホールが適切な位置にあります。

④ホールと隣の歯との距離も等間隔になっています。

⑤ホールにインプラントのネジが入りました。インプラントの土台が歪な形にならない様に、歯茎の高さより3mm深くインプラントのネジを埋入しました。(この3mmがすごく重要で、この埋入ポジションを知らない歯科医師もいます)

⑥適性な位置にインプラントは埋入されましたが、骨が一部欠損しているため、インプラントのネジが露出しています。インプラントのネジは、骨の中に全て入っている状態でなければなりません。

⑦インプラントのネジが露出している部分に、骨を作っていきます(GBR:骨造成)

⑧造った骨を保護膜でカバーします。

⑨あとは綺麗に縫って終了です。

⑩手術後にレントゲンで位置の確認をしました。適切な位置にインプラントが埋入されています。

このように、一つ一つステップを丁寧に、かつ正確に治療する事がインプラントの長持ちにつながります。

インプラントは一度入れてしまったら、位置を変える事はできません。一発勝負の失敗が許されない手術です。

 

 

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