『インプラントオーバーデンチャーを検討しているのですが失敗が怖いです』
『外科手術を伴うということは、失敗した時に大きなリスクがあるのでしょうか?』
『インプラントオーバーデンチャーの失敗を避けるためにできることはありますか?』
歯の一部または大部分を失った方に特にぴったりな治療として、近年注目の高まるインプラントオーバーデンチャー。しかしインプラントオーバーデンチャーはインプラントの埋入のために外科手術を伴うため、手術の失敗リスクなども考えると、なかなか治療に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、大阪(天王寺)でインプラントオーバーデンチャーによる治療を数多く行う当院が、インプラントオーバーデンチャーにおける失敗事例とその原因、失敗を避けるために患者様ができることなどをご紹介します。
どのような治療でも、失敗のリスクを完全になくすことは不可能です。特にインプラントオーバーデンチャーは外科手術を伴う治療である以上、失敗してしまう可能性についても考えなくてはなりません。しかし患者様ご自身が知識を持っておくことで、より失敗が起きにくい歯科医院選びや、ご自身で失敗のリスクを下げるための行動ができるようになります。
当院では、来院される患者様の想いを大切にし、その期待に応える歯科治療を行います。そして綺麗になった歯で思いっきり笑い、ご飯を食べる喜びを感じて欲しいと考えています。まずはぜひ当院の症例集をご覧ください。多くの歯を失った方がインプラントオーバーデンチャーによって審美性・機能性ともに回復する様子を見ていただけます。
目次
インプラントオーバーデンチャーによる治療の3つの失敗例
インプラントオーバーデンチャーの失敗例というと、どのようなものを想像しますか?
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントを固定源にすることで、入れ歯がより安定した状態で使用できます。デンチャーが総入れ歯の場合には、原則として複数本のインプラントの埋入が必要になり、外科手術に伴う失敗のリスクが生じます。
ここでは、インプラントオーバーデンチャーの主な失敗事例を3つご紹介します。
- インプラント周囲炎が発症した
- インプラントと顎の骨が結合しない、結合が失われた
- インプラントの埋入の際に神経や血管を傷つけてしまった
それぞれ、主な失敗事例の内容と、失敗が起きる原因やその対策についてご紹介します。
①インプラント周囲炎が発症した
インプラントオーバーデンチャーによる治療を行う際に必ず必要なインプラントですが、インプラントは免疫機能を持たないため、感染に弱いという特性があります。特に、インプラントの周辺の歯茎に細菌が感染する、インプラント周囲炎には注意が必要です。
インプラント周囲炎を発症すると歯周病に似た症状が現れます。具体的には、歯茎の腫れや痛み、出血、膿が出る、さらに進行するとインプラント周辺の顎の骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントが脱落してしまいます。
またインプラント周囲炎には、インプラント周囲粘膜炎という前段階の症状があり、インプラント周囲粘膜炎の段階であれば適切な治療を行うことで症状の改善が可能です。しかしインプラント周囲粘膜炎は自覚症状が乏しく、患者様ご自身で気付くことが難しいという特徴があり、気付いた時にはインプラント周囲炎にまで進行してしまっているというケースは少なくありません。
原因:角化歯肉の不足による口腔衛生の悪化
インプラントの周囲は、角化歯肉と呼ばれる硬い歯茎の組織に覆われている必要があります。角化歯肉が不足していると、インプラントの周辺をブラッシングする際に疼痛が出る事があり、丁寧なブラッシングが出来なくなってしまいます。口腔衛生が悪化するとインプラント周囲炎のリスクが高まります。
このような失敗を防ぐためには、インプラントの埋入前に歯茎の状態を確認し、角化歯肉が不足するようであれば歯肉の移植治療などを行う必要があります。
原因:インプラントの埋入位置の問題
インプラントオーバーデンチャーではインプラントを複数本埋入するケースがあり、特に骨量が少ない傾向にある上顎の治療でインプラントオーバーデンチャーによる総入れ歯の治療を行う場合、インプラントを4本〜6本埋入するのが一般的です。
この際にインプラントとインプラントの間に十分な距離が確保できていなければ、歯ブラシで上手く磨けない部位ができてしまい、清掃不良が生じやすくなります。その結果として口腔衛生が悪化し、インプラント周囲炎を発症するリスクが高まります。
このような失敗を防ぐためには、インプラントの埋入箇所を決める治療計画の段階でインプラント同士の適切な距離を考慮し、インプラントが分散して位置するように設計を行う必要があります。
原因:日々のブラッシングや歯科医院でのクリーニングが不十分
角化歯肉が十分にあり、適切な位置にインプラントが埋入されていても、日々のブラッシングが上手くできていなければ口腔内の衛生環境は悪化します。インプラントオーバーデンチャーの治療を受けられた患者様の中でご高齢の方などは、ブラッシングがうまくできないようなケースもございます。
またブラッシングが上手くできていても、ご自宅での清掃には限界があるため、インプラントオーバーデンチャーをはじめとしたインプラント治療を行ったあとには、歯科医院での定期的なメンテナンス・クリーニングが必要です。定期的なメンテナンス・クリーニングのための通院を行わずにインプラント周囲炎を発症してしまう場合もあるので注意が必要です。
②インプラントと顎の骨が結合しない、結合が失われた
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントと顎の骨が強固に結合することで、上部構造の入れ歯の固定源としての役割を果たし、安定した噛み心地を得られます。そのためインプラントと顎の骨がうまく結合しないケースや、一般的なインプラントの平均寿命(約10年以上と言われています)よりも大幅に短い期間で結合が失われてしまった場合には、インプラントオーバーデンチャーの失敗と言えるでしょう。
インプラントと顎の骨が上手く結合しなかったり、結合が失われてしまうと、インプラントオーバーデンチャーの安定性が失われ、痛みや違和感が生じることがあります。また結合が弱まった状態で使用し続けると、最終的にはインプラントが脱落してしまう可能性もあります。
原因:インプラント埋入時に顎の骨にダメージを与えてしまった
インプラントの埋入手術の際に、顎の骨に穴を開けるドリルがオーバーヒートしてしまうと、顎の骨が火傷した状態になりインプラントとの結合が上手くいかなくなります。通常、ドリルの温度が上がりすぎないように、ドリルの速度をなるべくゆっくりにしながら、冷却水なども使用して穴を開けていきます。この際の処置が不適切だと、ドリルがオーバーヒートしてしまうことがあります。
原因:顎の骨が不足している
顎の骨が足りない場合にも、インプラントと顎の骨の結合が難しい場合があります。歯周病や抜歯後の廃用性萎縮などの影響で、顎の骨が薄くなっている、顎の骨の量が足りない、といった場合は人工歯根と骨の結合がうまくいきません。このような場合には、骨造成と呼ばれる、顎の骨の量を増やす治療をおこなってからインプラントの埋入を行います。
原因:喫煙による血管の収縮や免疫の低下
インプラントと顎の骨が結合する際には、喫煙が悪影響を及ぼし結合を阻害してしまうことが知られています。煙草の煙にはニコチンが含まれていますが、ニコチンは血管の収縮作用があり、血流が悪化し、さらに歯茎や顎の骨の免疫力が低下します。結果的に顎の骨とインプラントの結合が上手くいかず、インプラントの動揺や脱離の原因となります。
また喫煙によってインプラント周囲炎が発症するリスクも高まると言われています。インプラントオーバーデンチャーでの治療を検討されている方は、できれば禁煙、難しい場合でも減煙をしていただくことで、失敗するリスクを少しでも減らすことが可能です。
原因:インプラントを埋入する位置や角度に問題がある
インプラントを埋入する位置や角度、深さが適切でなければ、骨とインプラントが上手く結合しない場合があります。このようなトラブルが起きる原因としては、インプラントの埋入位置に問題があるケースと、治療計画では適切な位置への埋入を予定していたが実際の埋入の際に上手く治療計画通りに埋入できなかったというケースに分けられます。
治療計画で適切な位置へのインプラントの埋入を設計するためには、インプラントオーバーデンチャーの治療に精通した歯科医院で治療を受けるのが良いでしょう。また、サージカルガイドと呼ばれるインプラント埋入を補助する装置を使用することで、治療計画通りに埋入ができないというようなトラブルを回避出来る可能性が高くなります。
原因:インプラントに過重な負担がかかっている
インプラントに過大な負荷がかかってしまうと、インプラントと顎の骨の結合が失われてしまう可能性があります。このような問題が起きる原因としては、主に以下が挙げられます。
- オーバーデンチャーを支えるために十分な本数のインプラントが埋入されていない
- インプラントの埋入位置が適切でなく、負担が分散されていない
- ブラキシズム(歯ぎしり)があり強い負担がかかっている
このような原因でインプラントに過重な負担がかかってしまうと、インプラントと顎の骨の結合が失われてしまったり、インプラントの人工歯根が破折してしまうなど、インプラントオーバーデンチャーの失敗に繋がります。
③インプラントの埋入の際に神経や血管を傷つけてしまった
インプラントオーバーデンチャーによる治療の失敗の中でも重大な失敗が、インプラントを埋入する際に神経や血管を傷つけてしまうケースです。神経を傷つけてしまうと、痺れや痛みが生じたり、傷つけてしまった部分の感覚が鈍くなったり、感覚が全くなくなることがあります。血管を傷つけてしまうと手術中に出血が止まらなくなる可能性があります。また過去に実際に起きたインプラント手術の死亡事故では、動脈を傷つけてしまった結果出血が止まらず、血が溜まって喉を塞いで窒息による死亡事故も起きています。
原因:神経や血管の位置が正確に把握できていない
患者様の神経や血管の位置を正確に把握できていないと、インプラントを埋入する手術の際に神経や血管を傷つけてしまう可能性があります。特に動脈を傷つけてしまうと、生命に関わる事態の失敗にまで発展するリスクがあります。
このような事態を防ぐためには、CT撮影で患者様の神経や血管の位置を三次元的に把握することが重要です。先ほどご紹介した死亡事故が起きてしまった医院では、治療前のCT撮影は行われていなかったそうです。
現在ではインプラントを扱う歯科医院のほとんどが歯科用CTを導入していますが、歯科用CTを導入しておらずパノラマレントゲン撮影のみで手術を行う歯科医院もあるようです。当院でも当然ですが歯科用CTを導入しておりますので、インプラントオーバーデンチャーをご検討の方は安心してお問い合わせください。
原因:正確な位置への埋入ができない
歯科用CTを使用して神経や血管の位置を正確に把握していても、手術の際に実際に血管や神経を目視できるわけではありません。また手元が狂ってしまう可能性もあります。術前に正確な位置を把握していても、必ずしも正確な位置にインプラントを埋入できるわけではないのです。
こういったミスを起こさないために、サージカルガイドと呼ばれるインプラントの埋入を補助する装置を使用する場合があります。サージカルガイドにもさまざまな種類があり一概にはいえませんが、誤差約0.1mmの非常に高い精度で事前の計画通りの位置や角度、深さにインプラントを埋入することが可能です。
インプラントオーバーデンチャーの失敗を避けるための5つの注意点
インプラントオーバーデンチャーの失敗事例とその原因、対策についてご紹介しました。失敗にはさまざまな原因があり、患者様ではコントロールできない部分が多いのも事実です。しかし患者様ご自身が知識を持つことで、失敗のリスクを下げられる部分もございます。ここからは、インプラントオーバーデンチャーの失敗リスクを下げるための注意点を、5つご紹介します。
- インプラントオーバーデンチャーの経験が豊富な歯科医を選ぶ
- 歯周病治療を行い口腔衛生を改善してからインプラントを埋入する
- 歯ぎしりの改善・食いしばりを控える
- 日々のブラッシングと歯科医院でのメンテナンスを怠らない
- 禁煙・減煙する
①インプラントオーバーデンチャーの経験が豊富な歯科医を選ぶ
インプラントオーバーデンチャーの失敗リスクを下げるためには、経験豊富な歯科医の下で治療を行うことが重要です。総入れ歯のインプラントオーバーデンチャーは、インプラントを最低でも2本、多い時には6本程度埋入し、それぞれにかかる負荷を計算して埋入箇所を決めていく、非常に難しい治療です。経験不足の歯科医だと、当然失敗のリスクも高くなってしまうでしょう。
また義歯(入れ歯)の知識も必要になる治療のため、インプラント治療は非常に得意としているが、インプラントオーバーデンチャーはできない・苦手だという先生も多いです。そのためインプラントの専門家だからといって、インプラントオーバーデンチャーの治療を安心して任せられるとは限りません。
経験豊富な歯科医を見つけるのは確かに難しいですが、特にインプラントオーバーデンチャーのような難易度の高い治療では、歯科医選びが非常に重要になります。症例数の多い歯科医院や、情報発信に積極的な歯科医院などは、経験豊富な歯科医がいるはずです。そのような歯科医院のカウンセリングに行って、実際に話を聞くことで、良い歯科医と出会える可能性が高まります。
当院ではインプラントオーバーデンチャーをはじめとした、難易度の高い治療を多数扱っております。またこれらの治療をご検討の方に、無料相談・無料カウンセリングを実施しております。来院される患者様の想いを大切にし、その期待に応える歯科治療を行います。そして綺麗になった歯で思いっきり笑い、ご飯を食べる喜びを感じて欲しいと考えています。ぜひ一度当院の無料相談へお越しください。
②歯周病治療を行い口腔衛生を改善してからインプラントを埋入する
インプラントオーバーデンチャーでインプラントが骨と結合しなかったり、インプラント周囲炎になってしまうような失敗を防ぐためには、事前に歯周病を治してからインプラントオーバーデンチャーの治療を始めるのが良いでしょう。
基本的には、歯周病を放置してインプラントオーバーデンチャーの治療を行うことは、良いことではありません。一方で患者様が歯周病の治療に積極的でなく、インプラントオーバーデンチャーの治療をとにかく優先させたいという意志が強いと、歯周病治療が不十分な状態でも治療を始めざるを得ない場合もあるかもしれません。
もちろんインプラントオーバーデンチャーを行うのに適していない状態で治療を始める事は、インプラント周囲炎のリスクを上げてしまうので、患者様が歯周病治療に対して協力的だと、より失敗のリスクを減らせるのではないかと思います。
③歯ぎしりの改善・食いしばりを控える
インプラントオーバーデンチャーの治療後にインプラントと骨の結合が失われる原因として、歯ぎしりや食いしばりが挙げられます。咀嚼などの際に通常かかる力を大幅に超えた負荷がかかると、インプラントの人工歯根が破折したり、骨との結合が失われる可能性があります。また上部構造である入れ歯も壊れてしまう可能性があり、修理が必要になります。
こういった事態を防ぐために患者様ご自身でできることは、歯ぎしりの改善のための予防策を取ることや、食いしばりを意識的に控えることです。睡眠時に無意識のうちにしている歯ぎしりについては、ボトックスで咬筋を緩めるような治療や入れ歯の上からマウスピースをするなど、さまざまな方法で改善することが可能です。
④日々のブラッシングと歯科医院でのメンテナンスを怠らない
インプラント周囲炎を防ぐためには、とにかく日々の丁寧なお手入れが欠かせません。毎日のブラッシングでインプラントの周辺に歯垢が溜まることを防ぎ、衛生環境を保つことで、インプラント周囲炎のリスクを減らせます。
同様に定期的な歯科でのメンテナンス、クリーニングも重要となります。
⑤禁煙・減煙する
喫煙習慣は口腔衛生上あまり良いとは言えません。血流が悪くなったり、唾液の量が減ってお口の中の洗浄作用が弱まってしまったり、という悪影響が起きることがあります。
インプラントオーバーデンチャーをなるべく長く使い続けるためには、禁煙することも一つの選択肢になるでしょう。禁煙が難しい場合は、減煙を行うだけでもリスクを軽減することができます。
インプラントの埋入手術直後は、必ず喫煙をお控えいただくようにお願いします。
まとめ:インプラントオーバーデンチャーなら大阪のYASU DENTAL CLINIC
このページでは、インプラントオーバーデンチャーの失敗についてご紹介しました。インプラントオーバーデンチャーはインプラントを用いた入れ歯治療ですので、インプラントに伴うさまざまな失敗のリスクが付き纏います。
失敗を防ぐためには、インプラントオーバーデンチャーに精通した歯科医の元で治療を受けることが何より大切です。また優れた歯科医院を選ぶことは重要ですが、それと同じくらい患者様ご自身での術後のセルフケアや定期的なメンテナンスのための通院を欠かさないことが重要です。
ご自身でのケアはしっかりとできているのに、定期的な通院を行わず、結果インプラント周囲炎になってしまった患者様もおられます。歯科医としても、せっかくのインプラントオーバーデンチャーを長く使っていただきたいので、定期的なメンテナンスにお越し頂くようにお伝えしております。
当院では来院される患者様の想いを大切にし、その期待に応える歯科治療を行います。そして綺麗になった歯で思いっきり笑い、ご飯を食べる喜びを感じて欲しいと考えています。歯を失ってお困りの方は、ぜひ一度当院の無料相談へお越しください。