オールオン4について
オールオン4とは
最小4本のインプラントで全ての人工歯を支える治療法
歯の先進国の欧米では広く普及している治療法です。
総入れ歯や多くの歯を失った方に4本から6本のインプラントをバランスよく骨に埋入して、連結した人工歯を支えます。埋入手術当日に固定式の仮歯をいれるので、その日のうちに噛む事が可能です。
機能面はもちろん、審美的にも優れた治療法です。インプラント本数も少ないため、手術時間が短く、費用も抑えることができます。
オールオン4の特徴
オールオン4の最大の特徴は、少ない本数のインプラントで多くの人工歯を支えることができる点にあります。一般的なインプラント治療では、1本のインプラントにつき1本の人工歯を支えるため、歯を失った本数が多い患者様を治療するには、多数のインプラントが必要になります。対してオールオン4は、最小4本のインプラントで片顎全ての人工歯を支えることが可能です。
そのためオールオン4は、総入れ歯や多数の歯を失った患者様に最適な治療法です。インプラントの本数が少なくても、咀嚼機能を回復することができるため、多数のインプラントを埋入する手術に対して不安を抱えている患者様にとっても、ご不安が軽減できる治療法だと思います。
また、術後すぐに仮歯を装着できるため、治療期間中に歯が無い期間はありません。手術当日から、食事を咀嚼していただけます。
- オールオン4の仕組み
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オールオン4はインプラントを使用して、連結した人工歯を固定する治療方法です。
人工歯は基本的には、片顎12本分が連結したものを使用します。自然な咀嚼力や、美しい歯並びを実現するために、患者様のお口にフィットする人工歯を歯科技工士がオーダーメイドで作成します。埋め込んだインプラントは、顎骨にしっかりと結合して、人工歯の土台として機能します。 - 人工歯とインプラントの接続には、アバットメントというネジのような部品を用います。これにより、インプラントと人工歯がしっかりと固定され、お口の中で、ガタガタするなどの不安定な動きが無くなります。
オールオン4には通常、4本のインプラントを使用しますが、患者様のお口の状態に応じて6本のインプラントが必要な場合もあります。(オールオン6)
オールオン4は
こんな方におすすめ
- しっかりご自身の歯のように
ご飯を食べたい方
- 口元の見た目を
改善されたい方
- 歌を歌ったり、
楽器を吹きたい方
- 歯を残すことが難しく、
総入れ歯になってしまう方
- 総入れ歯に不満がある方
(痛い、喋りづらい、噛めない、
外れる、ズレる、食事が入れ歯
の隙間に入るなど)
- 食後、総入れ歯を
毎回外したくない方、
見られたくない方
- メンテナンスに
積極的になれる方
オールオン4の
メリット・デメリット
メリット
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治療当日に歯が入る
(即時荷重) 通常のインプラント治療では、インプラントと骨がしっかり結合するまでの4ヶ月ほどは、安静にする期間で被せ物などの人工の歯は入れることができません。インプラントが骨と結合せず失敗する最大の原因は治癒期間中にインプラントに100μm以上の微細な動揺や力が加わることです。
オールオン4の治療で手術当日に仮歯を入れる事ができるのは、インプラントに負荷がかからないように、仮歯に太い金属フレームを使用し強度を増して、厳密に噛み合わせの調整を行うことで、インプラント本体に微細な動揺や力が加わらないようにしているからです。手術後から仮歯を使用し、お食事を食べて頂けますが、術後1ヶ月はあまり硬いものは噛まないようにお願いをしております。
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従来の治療法より
費用が抑えられる 歯が全くない方のインプラント治療は、通常では8本〜12本のインプラントを使用する必要があります。しかしオールオン4であれば、最小4本のインプラントで12本の全ての歯を支えることができます。
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体にかかる負担を
軽減できる インプラントの本数が少ないため、手術時間も短くなり外科的な侵襲が少なくなります。また通常の術式では、インプラント1次手術・2次手術を行った後に被せ物の歯が入りますが、オールオン4では一度に上記処置を行うため、治療回数が少なくなります。
- よく噛める
インプラントで全ての歯が固定されているため、入れ歯のように動いたり外れたりすることはなく、何でも噛む事が可能です。また噛む力はインプラントを通じて骨で負担されるので、ご自身の歯に近い感覚で食事を食べることができます。
- 取り外す必要がない
オールオン4の被せ物は、インプラント本体にネジ止め、もしくはセメントで固定されているため、ご自身で入れ歯のように外す必要がありません。また入れ歯のように食事の度に入れ歯を外し洗わなければならないなどの、人目を気にすることもなくなります。
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顎の骨量が少ない方でも
手術可能 オールオン4は、骨が十分ある部分にインプラントを埋入するため、骨が痩せて少なくなっているような方でも、治療を行う事が可能です。また、通常のインプラントで必要になるような骨を増やす大がかりな処置も必要ありません。
重度に骨が痩せすぎてしまっている方はオールオン4の適応にならない場合も稀にあります。
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違和感が少なく、
発音しやすい 入れ歯と違い、オールオン4の被せ物はご自身の歯の本来の大きさに近いため違和感がほとんどありません。また、インプラントに完全固定されているため、ズレたり外れるかもしれないなどの気を遣う事がなく、思いっきり笑い、お話することができます。発音に関連する唇や舌の動きを妨げるような位置に被せ物がないため、発音も滑らかに行う事が可能です。
- 痛くない・外れない
オールオン4の被せ物は、ネジやセメントで固定されているため、取り外し式の総入れ歯のように外れたり、ズレたりすることはありません。歯科医院では専用の器具を使用し、トラブルがあれば外して修理できるようになっています。また噛む力はインプラントで支えられるため、入れ歯のように歯茎が痛くなったり、擦れたりすることもありません。
- 骨の吸収を防げる
歯を失うと、時間の経過とともに歯茎と骨が徐々に痩せていく事が分かっています。これは廃用性萎縮と言って、使われていない組織は、萎縮して痩せ細っていくということを言います。歯が存在すれば、歯根が骨に負荷をかけるため、廃用性萎縮は起こりませんが、歯を抜いてしまうと骨に負荷がかからなくなるため、この廃用性萎縮は起こります。
例えば、骨折してギブスをすると、手や足がみるみるうちに細くなっていくのと同じことです。入れ歯においても同様で、入れ歯では骨に負荷がかからない為、廃用性萎縮が起こります。しかしインプラントを用いることで、インプラントを通して骨に負荷がかかる為、廃用性萎縮が起こらなくなります。
- 治療期間を短縮できる
通常のインプラント治療で骨造成が必要となった場合は、骨ができるまで6ヶ月〜1年ほど待たなければなりません。オールオン4では、基本的に骨造成の必要がないため、治療期間が大幅に短縮されます。 また歯が残っている場合なども、通常のインプラント治療であれば、抜歯後に骨ができるまでの6ヶ月間はインプラントを入れることはできませんが、オールオン4では、抜歯した当日にインプラントを入れる事が可能です。
デメリット
- 外科的手術が必要
インプラントを入れる際には必ず手術が必要となるため、侵襲は少なからずあります。手術が怖いという方には、寝てる間に治療が完了する静脈内鎮静を当院ではお勧めさせていただいております。また、ガイデッドサージェリーを使用することで、手術時間と外科的な侵襲を最小限にすることも可能です。
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入れ歯に比べると
費用がかかる 入れ歯でも使用する材料などによっては費用がかかることもありますが、一般的にはインプラント治療の方が費用がかかる傾向にあります。入れ歯に比べ、使用する材料や治療で必要とする部品の数が多いことが原因に挙げられます。
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適応できない
ケースがある ごく稀ではありますが、高度に萎縮してしまった骨には適応できない場合がございます。また骨粗鬆症や抗がん剤治療で、ビスフォスフォネート製剤を使用されている場合は治療ができません。
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しっかりした歯ブラシや
定期的なメンテナンスが必要 インプラントも歯磨きをしなければ歯周病になります。また3ヶ月に1度は歯科医院で専門的なクリーニングを行うなどメンテナンスを行うことが重要です。
オールオンフォーの留意点
- オールオン4ができない場合
- ごく稀ではございますが、高度に顎の骨が萎縮し、インプラントを入れる骨がほとんどない方です。
現在では技術の発展に伴い4mmの非常に短いインプラントも開発されており、インプラントが入る骨がない方はほとんどいないのが実情です。しかし、骨粗鬆症や癌治療に伴い骨の代謝を抑制するビスフォスフォネート製剤を使用されている方はインプラント治療ができません。
- 注意すべき点
- オールオン4の治療後は、お口の衛生環境の維持が非常に重要となります。歯磨きやメンテナンスが不十分だと、インプラント周囲炎を発症し、インプラントの破損や脱落の原因になる場合があります。インプラント周囲炎を予防するためには、ご自宅での歯ブラシやフロス、マウスウォッシュでのケア、また歯科医院でのメンテナンスが重要です。
- またオールオン4は基本的には着脱ができないため、将来介護が必要になった際に、介助者の方がお口の清掃を行いにくいという欠点があります。このような点がご不安な場合には、着脱が可能で清掃性が高く、オールオン4よりも費用が安いインプラントオーバーデンチャーもおすすめです。
メンテナンスについて
- ご自宅でのメンテナンス
- 治療後のご自宅でのケアは、オールオン4を長く健康に使用するために非常に重要です。インプラントは人工の歯ですが、天然歯と同じように大切に扱わなければなりません。自宅で行うケアとしては、次の点が挙げられます。
・毎食後と就寝前に歯磨きを行う。
・歯間ブラシやデンタルフロスで歯を丁寧に掃除する。 - オールオン4を長持ちさせるには、インプラントを支える歯肉と顎の骨を健康に保つ必要があります。ただし清潔にしたいがあまり、力いっぱいブラッシングしてしまうと、人工歯や歯茎を傷つける可能性があるので、優しく丁寧に行いましょう。また、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯の間の歯垢を取り除くことも重要です。
- 定期的な歯科医院でのメンテナンス
- 歯科医院でのメンテナンスでは、ご自宅では行えない専門的なクリーニングを行います。オールオン4は人工歯を固定しているため、何か問題がない限りは外すことはありません。人工歯を着けたまま行うメンテナンスは、外した時に比べて難しく、技術を要します。そのためご自宅での歯磨きやフロスだけでは、衛生環境を維持してオールオン4を長持ちさせることは困難です。
- 歯科医院での専門的なクリーニングを行うことで、インプラント周囲炎を予防し、オールオン4を長く健康に使い続けることができます。
治療の流れ
- 無料相談のご予約
- 当院では、オールオン4やインプラントオーバーデンチャーなどの治療をご検討の方に、無料でご相談いただけるカウンセリングを設けております。ご希望の方は、お電話もしくは専用のメールフォームからご予約をお願い致します。
- ご来院
- ご予約頂いた日時に当院にご来院していただきます。当院は大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」3番出口に直結しております
- 初診無料相談
- 患者さまがお困りの内容やお悩み、ご希望される治療についてお聞かせ下さい。レントゲンなど必要な検査をさせて頂き、患者さまのお口の中を確認した上で、最善といえる治療法をご提案します。
オールオン4やインプラントオーバーデンチャーの概要やメリット・デメリットについても、分かりやすく丁寧にご説明します。気になる事がございましたらお気軽にご質問ください。カウンセリングの終了後は、ご自宅でじっくりご検討下さい。
- 治療開始
- 当院では、治療に際し痛みに十分配慮して治療を行います。血圧などを測るため生体情報モニターを使用し、インプラント治療も安全第一に行い体に負担の少ない治療を行なっております。
治療後について
治療後に起こるトラブルとしては下記が考えられます。
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- インプラントを支えている骨が溶けて抜け落ちてしまう
(インプラント周囲炎)
- 仮歯の破折や
インプラントの脱落
- 将来介護が必要に
なった際の問題
01.インプラントを支えている骨が溶けて抜け落ちてしまう
(インプラント周囲炎)
インプラントを支えている骨が溶けてしまうトラブル(インプラント周囲炎)ですが、これは主にメンテナンス不足によるもので、インプラントも歯周病に罹ることによります。歯磨き不足だとインプラント周囲に汚れ(歯周病菌)が溜まり、歯周病菌から骨を溶かす毒素が放出されます。
そうすることで、インプラントを支えている骨が徐々に溶けてしまい、いつかは
このようにならない予防策は、毎日の歯磨きしかありません。歯周病菌は食事をする度に、インプラント周囲に堆積していきます。またオールオン4はご自身で着脱ができないため、歯ブラシが難しく磨き残しが出やすくなります。そのため定期的に歯科でのメンテナンスを受けることで、インプラントの歯周病(インプラント周囲炎)を予防でき、トラブルを回避できます。
02.仮歯の破折やインプラントの脱落
オールオン4の特徴として、手術直後に仮歯が入る点が挙げられます。これは、インプラントに負荷がかからないように、仮歯に太い金属フレームを使用し強度を増して、厳密に噛み合わせの調整を行うことで、インプラント本体に微細な動揺や力が加わらないようにしているからです。そのため、オールオン4ではインプラントの埋入手術当日から、食事が出来るようになります。
ただし手術当日はもちろん、術後約1ヶ月の間は、なるべく軟らかい食べ物を選んでいただき、強く噛むことが無いようにお気をつけ下さい。インプラントが骨と結合する前に強い噛み締めによりインプラントに動揺や力が加わると、骨と結合せずに失敗してしまうことがあります。また強く噛みすぎて仮歯が破折してしまうと、インプラントの脱落につながるリスクもあります。食事についても当院でその都度、注意事項をお伝えしておりますので、特に術後1ヶ月の間は気をつけて生活して頂いております。
03.将来介護が必要になった際の問題
オールオン4をはじめとするインプラントを用いた治療を行った際には、インプラント周囲炎の予防のために、日々の丁寧な歯磨きや歯間ブラシなどでのお口の清掃が非常に重要になります。またメンテナンスのために定期的に歯科医院を受診する必要もございます。
患者様ご自身がお若くお元気であれば、ご自宅でのケアや歯科医院での定期的なメンテナンスでお困りになるケースはほとんどありません。しかし将来、患者様がご高齢になり介護が必要になった際には、取り外しのできないオールオン4を介助者が清掃するのは非常に難しくなります。ご年齢の問題で定期的な歯科医院の受診が難しくなると、さらにご自宅でのケアの重要性はより高まります。このような問題が考えられる場合には、着脱が可能で清掃性の高い、インプラントオーバーデンチャーというインプラントを活用した入れ歯による治療法もございます。まだお若く入れ歯には抵抗があるという場合は、まずはオールオン4で治療を行い、将来入れ歯の方が良いと感じた際に、インプラントオーバーデンチャーに切り替える方法もございます。患者様の不安なお気持ちやお悩み、ご希望をお伺いしたうえで、最適な治療をご提案させていただきますので、ぜひ一度当院へお越しください。