子供のガミースマイルは遺伝?自然に治る?原因や治療すべき年齢について解説

子供のガミースマイルは遺伝?自然に治る?原因や治療すべき年齢について解説

子供のガミースマイルは遺伝?自然に治る?原因や治療すべき年齢について解説

「ガミースマイルは子供に遺伝するの?」
「子供のガミースマイルは自然に治りますか?治療をした方がいいのでしょうか?」

近年認知度が非常に高くなり、多くの方が治療を選択するようになったガミースマイル。最近では、親御様がお子様のガミースマイルを心配されるようなケースや、親御様がガミースマイルの特徴をもっており、お子様にガミースマイルが遺伝するのではないか?とご不安になられるケースもございます。

そこでこのページでは、年間290症例以上のガミースマイル治療を行う当院が、お子様のガミースマイルについて、以下の内容をご紹介します。

  • ガミースマイルは子供に遺伝するのか
  • ガミースマイルの原因と遺伝の関係
  • 子供のガミースマイルは治療するべきなのか
  • 子供のガミースマイルの治療法

ガミースマイルは病気ではありませんので、ガミースマイルだからといって必ず治療する必要はありません。ただし、ガミースマイルは審美的に不利になることも多いため、お子様がコンプレックスを感じてしまう可能性があります。またお子様にガミースマイルの傾向がある場合、ガミースマイル以外の問題が生じているケースもございます。

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ガミースマイルは子供に遺伝するのか?

ガミースマイルは子供に遺伝するのか?

笑った時に歯茎が大きく目立つようなお口の状態を、ガミースマイルと呼びます。人によってお顔立ちのバランスは異なりますが、ガミースマイルは審美的に不利に働くことが多く、当院にも年間290名もの患者様がガミースマイルの治療の為にご来院いただいています。

そんなガミースマイルですが、子供の頃から現れる状態のため、もしかしたら遺伝なのではないか?と不安を覚える方も多くおられます。またご自身がガミースマイルのため、今後お子様にもガミースマイルの特徴が現れるのではないかと心配される方も多いです。

結論としては、ガミースマイルになる原因には、生まれつきの遺伝的な要素も少なからず含まれています。

ただし遺伝は必ず現れるわけではありません。ご両親や祖父母がガミースマイルでも、必ずお子様がガミースマイルになるわけではありません。反対に、お子様だけがガミースマイルになることもございます。

遺伝はガミースマイルの原因のごく一部であって、絶対に遺伝によってガミースマイルになるかどうかが決まるわけではないのです。ではどのような要因で、お子様がガミースマイルになるかどうかが決まるのでしょうか?

ガミースマイルの5つの原因と遺伝の関係について

お子様がガミースマイルになるかどうかは、主に以下の5つの要因によって決定されます。

  • ①歯の生え方に問題がある
  • ②歯が小さすぎたり短すぎる
  • ③歯茎が発達しすぎている
  • ④上唇を引っ張る筋肉が過度に発達している
  • ⑤骨格的な問題がある

これらの要因がどのようにしてガミースマイルの原因になるのか、また遺伝との関連性がどれくらいあるのか、以下でより詳しくご説明いたします。

①歯の生え方に問題がある

①歯の生え方に問題がある

歯の生え方に問題がある場合、ガミースマイルになることがあります。具体的には以下のような歯の生え方の場合、ガミースマイルになる可能性が高いと考えられます。

  • 出っ歯(上顎前突)
  • 上顎の歯が生えている位置が低い(下側にある)
  • ディープバイト(過蓋咬合)

出っ歯の方は、前歯が真っ直ぐ下に生えずに、斜め前方へ生えているため、笑った時に前歯に沿って上唇が持ち上がりやすくなります。すると歯茎も見えやすくなるため、ガミースマイルの症状が現れやすくなります。

上顎の歯が生えている位置が低い方や、ディープバイトと呼ばれる噛み合わせが深いような不正咬合の場合は、歯の位置が下側になるため歯茎が見える範囲が広くなり、ガミースマイルの症状が現れやすくなります。

このような不正咬合は、子供の頃の指しゃぶり癖や舌癖によって引き起こされることもありますが、遺伝や生まれつきの形質の場合もございます。

②歯が小さすぎたり短すぎる

②歯が小さすぎたり短すぎる

歯が小さすぎたり短すぎる場合にも、ガミースマイルの症状が現れることがあります。歯が小さいお子様や歯が短いお子様は、歯茎が歯に被さってしまい、歯茎が見える範囲が多くなることがあります。

歯の大きさや短さは、遺伝や生まれつきの形質や、成長過程での問題で起こる為、事前に対策することは難しくなります。このような原因でガミースマイルの症状が現れている場合には、歯冠長延長術という歯茎を一部切除して歯茎を整え、歯を本来の長さに戻すような治療や、歯列矯正により歯の位置を調整することで、ガミースマイルを改善することが可能です。

ただし、お口の成長が終わっていないお子様は、成長と共に歯茎の位置も変わってくる為、当院では基本的には17歳以下の患者様への歯冠長延長術は行っておりません。本来、乳歯は歯が小さく幼少期は歯茎が見えやすい状態のため、ガミースマイルになりやすい傾向にあります。幼少期のガミースマイルは特に治療の必要がない事が多いため、鑑別診断が重要になります。

③歯茎が発達しすぎている

歯茎が過剰に発達してしまうと、歯冠の部分に歯茎が覆いかぶさってしまうため、少し口角を持ち上げただけでも歯茎が見えてしまうガミースマイルの症状が現れます。

お子様の歯茎が過剰に発達する原因は、ほとんどの場合、遺伝や生まれつきの形質によるものです。ただし、お子様には稀ではありますが、噛みしめや食いしばり癖などを原因とする骨隆起(骨の表面の膨らみ)の可能性も考えられます。

このような原因でガミースマイルの症状が現れている場合も、歯冠長延長術により過剰に発達した歯茎を一部切除して歯茎が見える範囲を減らすことでガミースマイルを改善することが可能です。また歯冠長延長術を行う際には、同時に骨隆起を除去することも可能です。

④上唇を引っ張る筋肉が過度に発達している

④上唇を引っ張る筋肉が過度に発達している

上唇を持ち上げる筋肉が発達しすぎて、笑った時に上唇が上がり過ぎ、歯茎が露出してしまう。上唇が短すぎて、少し笑っただけでも歯茎が露出してしまう。このように上唇や上唇周辺の筋肉が原因になり、ガミースマイルの症状が現れる場合があります。

お子様の上唇周辺の筋肉に問題がある場合は、小児歯科でお口周辺のトレーニングを行うことで、筋肉のバランスを整え過度に上唇が持ち上がらないようにすることが可能です。

ボトックス注射を行うことで、上唇を持ち上げる筋肉の働きを弱めることでも、ガミースマイルの症状を抑えることが可能です。ただし患者様の年齢によってはリスクがございますので、当院では17歳以下の患者様へのボトックス注射は行っておりません。

上唇の裏側と歯茎の上側を切り取り、上唇と歯茎の間の粘膜を縫い合わせることで、上唇が動く範囲を制限してガミースマイルを改善する、上唇粘膜切除術という方法もございます。この方法は上唇や上唇周辺の筋肉の問題によるガミースマイルに対して有効でかつ身体への侵襲も少ないため、当院でもよく採用する方法です。ただしお口の成長が終わっていないお子様の場合、将来のお口周りのバランスを正確に予測することが難しいため、当院では17歳以下の患者様への上唇粘膜切除術は行っておりません。

⑤骨格的な問題がある

上あごが極端に縦に長く成長してしまっていたり、上あごが極端に前方へ突出してしまっている場合、ガミースマイルの症状が現れることがあります。こういった形質は、生まれつきや遺伝によって現れる場合がほとんどです。

このような形質をお持ちの方は、ガミースマイルの問題だけでなく、過蓋咬合(ディープバイト)を始めとする不正咬合の問題に発展するケースがございます。

お子様がまだ小さい間であれば、ヘッドギアを始めとした小児矯正治療によって、上顎の過度な発達を抑制するような治療を行えます。顎の成長が終わってからだと、上顎を切除するような外科手術が必要な場合もあるため、まだ小さいうちに小児歯科にご相談されることをお勧めしております。

子供のガミースマイルは治療するべき?

子供のガミースマイルは治療するべき?

親御様やご親族にガミースマイルの方がおられ、お子様への遺伝が心配。すでにお子様にガミースマイルの症状が現れている。このような場合、お子様のガミースマイルを治療するべきなのか悩まれる方も多いかと思います。

こういったお悩みをお持ちの方にまず初めに知っていただきたいのは、ガミースマイルは病気ではないということです。そのためガミースマイルだからといって、絶対に治療する必要はありません。

ただし、ガミースマイルの原因が歯の生え方や骨格にある場合、不正咬合などの問題に発展する可能性もございます。これらの問題は、お子様がまだ小さく顎の成長段階にあるタイミングでの治療が適しています。大人になってからでも治療は可能ですが、上顎を切除するような外科手術が必要になることもあるため、小さいうちに治療を行うのが最良です。

ガミースマイルをきっかけにお子様の歯の生え方や骨格の問題に気付いた親御様は、お近くの小児歯科を受診していただくことをおすすめいたします。

永久歯に生え変わるとガミースマイルが気にならなくなる場合も

お子様の歯がまだ乳歯の時期にガミースマイルの特徴がみられる場合は、永久歯への生え替わりのタイミングで、ガミースマイルが気にならなくなる場合もございます。ただし、必ずガミースマイルが改善するというわけではありません。

お子様のガミースマイルは、生まれつきや遺伝的な形質、指しゃぶり癖や舌癖など、さまざまな要因によって起きるため、実際にお子様を診断せずに将来どのようなお口元になるのかを判断することはできません。乳歯の時期にガミースマイルの特徴が見られる場合は、お近くの小児歯科を受診していただくことをおすすめいたします。

子供のガミースマイル治療と目安となる年齢

子供のガミースマイル治療と目安となる年齢

お子様のガミースマイルの原因の解決には、主に以下の3つの治療を行います。

  • ①MFT(口腔筋機能療法):6歳〜
  • ②ヘッドギア:6歳〜
  • ③小児矯正:7歳〜

以下でそれぞれご紹介いたします。

※当院はガミースマイル専門院ですが、顎の成長が終わってからの治療を専門としております。小児歯科治療は行っておりませんので、以下でご紹介するような治療をご希望の患者様は、ぜひお近くの小児歯科にご相談ください。また、実際の治療方針は医院によって異なりますのでご注意ください。

①MFT(口腔筋機能療法):6歳前後〜

MFT(口腔筋機能療法)は、お口の周りの筋肉の機能や舌癖の改善を行うことを目的とした訓練法です。MFTを行うことで、上唇を引っ張る筋肉の過度な発達や、舌癖を原因とする出っ歯などの不正咬合を予防することができ、ガミースマイルの予防・改善に効果があると考えられます。

MFTについてはさまざまな方法がネット上でも確認できますが、お子様の舌位や舌癖、筋肉の発達具合などにより最適なトレーニングが異なりますので、小児歯科を受診し歯科医の判断のもとでトレーニングを行うことをおすすめしております。

②ヘッドギア:6歳前後〜

ヘッドギアは主にお子様の顎が成長する時期に用いる矯正装置です。上顎に過度な発達の傾向があるお子様や、奥歯を後方に移動させる必要があるお子様など、将来的に骨格や歯並びの問題が生じる可能性が考えられる場合に使用します。骨格や歯の生え方が原因で生じるガミースマイルに対しても、有効な治療だと考えられます。

1日12時間程度の装着が推奨されるため、ご在宅時と睡眠時に装着を行います。大人になってから歯列を並べるのに十分なスペースがないケースや、上顎の骨格の問題による不正咬合が起きているケースは、大掛かりな治療が必要になることも多いため、お子様の歯の生え方や骨格の問題に気付いた親御様は、お近くの小児歯科を受診していただくことをおすすめいたします。

③歯列矯正:7歳前後〜

お子様の骨格に大きな問題がなく、不正咬合が原因でガミースマイルの症状が現れている場合、歯列矯正が適応となります。特にガミースマイルは噛み合わせが深すぎるディープバイト(過蓋咬合)のケースが多いため、噛み合わせを浅くして正常な咬合になるよう矯正治療を行います。全体的に歯並びが悪い場合にも、ガミースマイルの改善を行いながら、歯列を矯正することが可能です。

近年は見た目にも目立ちにくく、お子様のストレスになりにくい、マウスピース矯正(インビザライン)を使用する矯正治療が主流となっています。お子様の歯並びによっては、従来通りのワイヤーによる矯正治療を行う場合もございます。

ガミースマイルの改善にはさまざまな方法があります

ガミースマイルの改善にはさまざまな方法があります

上述したお子様のガミースマイル治療は、本来ガミースマイルへのアプローチを目的としたものではなく、ガミースマイルを引き起こす原因への治療という側面が強くなります。そのためお子様が成長した際に、ガミースマイルの特徴が現れる可能性が、完全になくなるというわけではありません。

ですが、お子様のうちに骨格の問題や歯の生え方の問題を解決することで、将来ガミースマイルになった場合も簡単な治療で改善できる可能性が高くなります。

当院は顎の成長が終わってからのガミースマイルの治療を専門的に行っておりますが、歯冠長延長術や上唇粘膜切除術といったガミースマイルの治療は、基本的には1回の処置で治療が完了します。初診のカウンセリングや抜糸、経過観察などでご来院いただくことを含めても、早ければ1ヶ月以内、長くても2ヶ月程度で治療を終えることができます。

お子様の間に治療を行っておくことで、将来もしガミースマイルの症状がみられた場合に比較的簡単に治療を行うことができ、さらにガミースマイル以外の問題も予防しやすくなるため、お子様の骨格や歯列に問題があると感じた場合には、お近くの小児歯科の受診をぜひご検討ください。

よくある質問

Q:赤ちゃんのガミースマイルは治りますか?

A.乳歯は元々歯が小さいため、歯茎の割合が多くなり、赤ちゃんはガミースマイル傾向にあります。乳歯列期や混合歯列期(乳歯と永久歯が同時に存在する時期)が終わり、永久歯が生え揃う 12歳以降に治る傾向にあります。ただし、歯並びや歯の生え方によってもガミースマイルになることがあるため、その場合は矯正治療など6歳以降に治療を開始することが望ましいとされています。

Q:ガミースマイルと出っ歯は別ですか?

A.出っ歯とガミースマイルは別の症状です。ただし出っ歯が原因でガミースマイルの症状が現れることもございます。お子様にガミースマイルや出っ歯の兆候が見られる場合は、お近くの小児矯正歯科で相談されることをおすすめします。

Q:子供のガミースマイルを予防することはできますか?

A.お子様のガミースマイルを確実に予防する方法はありませんが、当ページでご紹介したMFT(口腔筋機能療法)や小児矯正は、将来お子様がガミースマイルになることを防ぐために効果的だと考えられます。

Q:来院回数は何回必要ですか?

A.当院では、通常のガミースマイル治療の回数は4回となっております。

1回目:無料カウンセリング
2回目:ガミースマイル手術
3回目:抜糸
4回目:1ヶ月後のアフターフォローとなっております。

遠方からお越し頂く患者様には、事前にお電話での無料カウンセリングも行っており、来院日当日にガミースマイル手術をお受けいただく事も可能となっており、1ヶ月後のチェックもお写真で行っております。

つきましては、遠方からお越し頂けます患者様は、

0回目:お電話での無料カウンセリング
1回目:ガミースマイル手術
2回目:抜糸

このように、2回の来院で治療を完了することが出来ます。ただし当院では小さなお子様のガミースマイル治療は行なっておりませんのでご注意ください。

Q.:初診時の当日に施術していただくことは可能ですか?

A.可能です。当院では、遠方からお越し頂く患者様には、事前にお口やお顔のお写真を頂き、お電話で無料カウンセリングをさせて頂いており、初診時に施術できるようしております。遠方からお越し頂く患者様が多いため、極力来院回数を少なくできるように配慮しておりますが、確実な診断をご希望の患者様には、実際ご来院頂き検査を受けて頂くようお勧めしております。

Q.:吸収性の糸を使えば1日で治療が終わるのでしょうか?

A.その通りでございます。吸収性の糸は、抜糸の必要がなく、数週間〜1ヶ月程度で糸が溶けて無くなるため、抜糸にお越し頂く必要がございません。ただし、吸収性の糸にはデメリットもございます。ガミースマイル治療は、非常に精密度の高い治療ですが、吸収性の糸は操作性が悪く、精密性に欠けてしまう事がございます。そうする事で、治癒後の仕上がりに影響する可能性も考えられます。また完全に溶けて無くなるまである程度期間が必要なことから、歯茎に糸が付いてる期間が長く違和感が出やすい、汚れも付着しやすく、見た目が悪い期間も長くなる傾向にあります。

まとめ:お子様のうちに治療をすることには多くのメリットがあります

まとめ:お子様のうちに治療をすることには多くのメリットがあります

このページでは、ガミースマイルと遺伝の関係や、お子様のガミースマイル治療についてご説明しました。

ガミースマイルになる原因はさまざまですが、その中には遺伝や生まれつきのものも多く含まれます。とはいえ遺伝は必ず起きるわけではないので、親御様やご親族にガミースマイルの方がいても、お子様について心配しすぎる必要はありません。

またガミースマイルは病気ではありませんので、必ず治療しなければいけないというわけでもありません。

ただし、ガミースマイルの原因となる症状、特に歯の問題や骨格の問題が起きている場合には、将来的に他の問題につながる可能性もございます。ガミースマイルはさまざまな要因によって症状が現れますが、それらの要因が将来お子様にどのような影響を及ぼすかは、歯科医の判断が最も確実です。そのためお子様にガミースマイルの症状がある場合や、歯並びや骨格の問題がみて取れる場合は、ぜひお近くの小児歯科の受診をご検討ください。

当院は小児歯科は行っておりませんが、顎の発達が終わってからのガミースマイルの治療については専門的に行っており、年間290症例以上のガミースマイル治療を手掛けております。ガミースマイルの治療をご希望の患者様には無料でカウンセリングも行っておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。

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松井 泰隆  YASU DENTAL CLINIC 院長

東京歯科大学を卒業後、京都大学医学部附属病院で口腔外科を学び、その後審美歯科やインプラント治療を行う医療法人に勤務し分院長などを歴任。

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