
鏡で見たり舌で触れたときに歯に穴が空いているのに、痛くない。「これって虫歯?」「放置しても大丈夫?」と不安になりますよね。実は、虫歯でも痛みが出ないケースは珍しくありません。その一方で、痛みがないからといって安心できないこともあります。
この記事では、虫歯で穴が空いているのに痛くない理由をわかりやすく整理しつつ、虫歯以外で穴のように見える原因、放置したときに起こりやすいこと、受診までの安全な過ごし方、歯医者での検査〜治療の流れまで順番に解説します。読み終えるころには「今の自分は何を優先すべきか」が判断しやすくなるはずです。
虫歯で穴が空いているのに痛くないときに最初に知っておくこと

歯に穴が空いているのに痛くないと、「今は困っていないし、様子見でいいかな…」と思いがちです。ですが、虫歯は痛みより先に進むことも多く、痛みがない=大丈夫とは限りません。逆に言えば、気づいたタイミングで動けると、治療の負担が小さく済みやすいです。
ここではまず、痛くない虫歯が起こる理由の前提として「痛みの有無だけで判断しないこと」「穴は自然に戻りにくいこと」を押さえ、受診前に不安を減らすためのチェックポイントも整理します。
痛みがない虫歯は珍しくありません
虫歯というと「ズキズキ痛い」イメージがありますが、実際には痛みが出ない虫歯もよくあります。歯のいちばん外側(表面)に近い段階では、刺激を強く感じにくいことがあり、見た目に穴が空いているように見えても「痛くない」まま進むケースがあります。
特に、
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・冷たいものや甘いものでしみない
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・ふだん通り噛める
- ・たまたま鏡で見て穴に気づいた
このような状態だと「まだ大丈夫かも」と思いやすいのですが、痛みが出る頃には治療範囲が広くなることもあります。早めに確認できると、削る量を抑えられたり、比較的シンプルな治療で済んだりする可能性が高まります。
穴は自然にふさがらないことが多いです
「そのうち治るかも」「様子を見たら穴が埋まるかも」と期待したくなりますよね。初期のごく浅い変化(白っぽく濁るなど)なら、ケアで落ち着くこともありますが、すでに穴として形ができている状態は、自然に元どおりになることは多くありません。
むしろ、穴があると汚れがたまりやすくなり、進行を後押ししてしまうことがあります。痛くないとしても、まずは歯科で「虫歯なのか/どのくらい深いのか/他の原因はないか」を確認するのが安心です。
今すぐ不安を減らすために確認したいポイント
受診前に、次の点を軽くメモしておくと状況整理に役立ちます(無理に触ったり、ほじったりはしないでください)。
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いつ気づいたか(昨日?数週間前から?)
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場所(前歯/奥歯、かむ面/側面、歯と歯の間、歯ぐき近く)
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色(白っぽい・茶色い・黒い、色が濃くなってきた)
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食べ物が詰まるか/フロスが引っかかる・切れるか
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しみる症状(冷たい・甘い・熱い、歯みがき時のしみ)
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噛むと違和感があるか(浮く感じ、噛むとピリッとする)
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過去に治療した歯か(詰め物・被せ物がある、取れた気がする)
このあとでは、こうした情報とも照らし合わせながら、「なぜ痛くないのか」を代表的な3パターンに分けて説明していきます。自分の状況に近いものを見つけながら読み進めてみてください。
痛くない理由は大きく3つに分かれます

虫歯で穴が空いているのに痛くないとき、理由は大きく次の3パターンに分かれます。
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①まだ表面の段階で、神経に届いていない
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②逆に進んで、神経が弱って痛みを感じにくい
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③詰め物・被せ物の下で進む「二次虫歯」
どれに近いかで、急ぎ具合や治療の考え方が変わります。ただし見た目だけで決めるのは難しいため、「当てはまるかも」という視点で読みながら、受診の判断材料にしてください。
①まだ表面の段階で神経に届いていない
歯は、外側から「硬い層」が何段かあり、その内側に神経があります。虫歯が浅い位置にあるうちは、穴が見えても痛くないことがあります。
たとえば、歯のかむ面に小さな穴があったり、黒ずみがあっても、冷たいものがしみない場合はこのタイプのことがあります。
ただ、この段階は「今がいちばん治療を小さくできるチャンス」でもあります。穴の周りは汚れがたまりやすく、気づかないうちに進みやすいので、痛くないうちに一度チェックしておくと安心です。
②逆に進んで神経が弱っていることもある
少し意外ですが、虫歯が進むと痛みが強くなるどころか、痛みが出にくくなるケースがあります。神経がダメージを受けて反応が鈍くなると、「穴が空いているのに痛くない」状態になることがあるためです。
このタイプで怖いのは、痛みが少ないまま進んで、ある日突然以下のようなトラブルとして表に出ることがある点です。
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・歯ぐきが腫れる
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・噛むと痛い/浮いた感じがする
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・できもの(膿の出口のようなもの)ができる
「痛くないから放置して良い」のではなく、痛み以外の変化(腫れ・噛みにくさ・違和感)を受診のサインとして捉えるのが大切です。
③詰め物や被せ物の下で進む「二次虫歯」
過去に治療した歯は、実は虫歯が見えにくいことがあります。詰め物や被せ物のすき間から虫歯が進むと、外からは穴がはっきり見えないのに、内部で広がることがあるためです(これが二次虫歯です)。
二次虫歯は痛みが出にくいことも多く、代わりに次のような違和感で気づくことがあります。
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・食べ物がよく詰まる
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・フロスが引っかかる/切れる
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・詰め物の角が欠けた気がする
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・段差ができた、ザラつく
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・たまにしみるけれど、毎回ではない
「昔治したところだから大丈夫」とは言い切れないので、こうした変化があれば、痛くなくても受診して確認するのがおすすめです。
虫歯以外でも「穴が空いている」ように見えることがあります

歯に「穴が空いている」ように見えると、多くの方がまず虫歯を疑います。ただ、実際には虫歯以外の原因でも、くぼみや欠け、すき間が「穴」に見えることがあります。しかも、どの原因でも「痛くない」まま進むことがあるため、見た目だけで決めつけるのは危険です。
ここでは代表的な例を3つ紹介します。自分に当てはまるものがあっても断定はせず、ヒントとして参考にしてください。
歯が欠けた・ヒビが入った
硬いものを噛んだときや、転んだ拍子、スポーツの接触などで、歯が小さく欠けることがあります。また、強い歯ぎしりや食いしばりが続くと、目に見えない細いヒビが入り、ある日ふと欠けて「穴」のように感じることもあります。
欠けやヒビは、起きた直後は痛くない場合がある一方で、放っておくと
- ・欠けが広がって角がさらに取れる
- ・引っかかりができて汚れがたまりやすくなる
- ・噛んだときだけピリッとする
といった変化が出ることがあります。
特に「噛むと違和感がある」「フロスが引っかかる」「欠けの周りがザラつく」などがあれば、早めに確認しておくと安心です。
酸蝕症やすり減りでくぼみに見える
虫歯ではなくても、歯が少しずつ溶けたり削れたりして、表面にくぼみができることがあります。代表例が酸蝕症で、酸の多い飲食物の習慣や、胃酸の影響などが関わることがあります。これとは別に、歯ぎしりや強い力での摩耗ですり減り、くぼみに見えるケースもあります。
このタイプは、黒い穴というより
- ・表面がつるっとしている
- ・丸くへこんでいる
- ・広い範囲が薄くなった感じがする
といった見え方をすることがあります。ただし、虫歯と見た目が似ることもあり、自己判断は難しいです。
「虫歯じゃないのかな」と感じても、写真や見た目だけで確定はできないので、歯科で状態を確認して原因に合った対策を選ぶのが安全です。
詰め物が取れた・すき間ができた
以前に治療した歯で、詰め物や被せ物が外れたり、境目にすき間ができたりすると、そこが「穴が空いている」ように見えることがあります。取れた直後は痛くないことも多いので、「急がなくてもいいかも」と感じやすいポイントです。
ただ、むき出しになった部分は汚れが入りやすく、食べ物が詰まりやすくなります。そのままにすると、しみたり、二次虫歯につながったりする可能性があるため、できるだけ早めの受診が安心です。
「詰め物が取れた気がする」「段差ができた」「よく詰まる」など、痛くない変化でもサインになります。
放置すると起こりやすいことと、受診の目安

歯に穴が空いているように見えるのに痛くないと、つい放置したくなります。ですが、虫歯やそのほかの原因でも、時間がたつほど状態が複雑になりやすく、結果的に治療が大きくなることがあります。怖がらせたいわけではなく、現実として「早めに確認したほうがラクに終わりやすい」ことが多い、というイメージです。
ここでは、放置で起こりやすい変化と、迷ったときの受診の目安を整理します。
小さく見えても中で広がることがある
虫歯は、見えている穴の大きさと、内部の広がりが一致しないことがあります。表面は小さな点のようでも、中ではじわじわ進んでいることがあり、痛くないまま深くなるケースもあります。
また、歯と歯の間や、詰め物のふちなど、見えにくい場所では変化に気づきにくいです。だからこそ「穴が空いているっぽいけど痛くない」を放置せず、歯科で深さや原因を確認する価値があります。早い段階なら、削る量や治療回数を抑えられる可能性も高まります。
神経や根の先まで進むと腫れや膿につながる
痛みが強くないまま炎症が進むと、ある日突然、別の形でトラブルが出ることがあります。たとえば以下のような変化です。
- ・歯ぐきがぷくっと腫れる
- ・噛むと痛い、浮いた感じがする
- ・口の中にできもののようなものができる
- ・口臭や変な味が気になる
この段階になると、治療の範囲が広がりやすく、通院期間も長くなることがあります。痛くないから安心ではなく「痛み以外のサイン」にも目を向けておくと安全です。
早めに受診したいサイン
次のような状態があるときは、痛くなくても受診に寄せて考えるのがおすすめです。
- ・穴が広がってきた、形が変わってきた
- ・黒ずみが濃くなった、範囲が広がった
- ・冷たいもの、甘いもの、歯みがきでしみる
- ・食べ物がよく詰まる、フロスが引っかかる、切れる
- ・詰め物や被せ物が取れた、段差が気になる
- ・噛むと違和感がある、噛むときだけピリッとする
- ・歯ぐきの腫れ、できもの、出血が続く
逆に言えば、これらがなくても「穴が空いている気がする」時点で、一度見てもらうと安心につながります。次では、受診までの間にできる安全な対処と、避けたい行動を具体的に紹介します。
受診までにできる安全な対処と、避けたいこと
歯に穴が空いているように見えても、痛くないと「自分で何とかできないかな」と考える方は多いです。ですが、穴の正体が虫歯なのか、欠けや詰め物のトラブルなのかで対処が変わります。受診までの間は「悪化させないこと」を最優先に、できることと避けたいことを分けて考えるのが安全です。
ここでは、今日からできるケアと、市販のセメントやパテを使う前に知っておきたい注意点、予約時に伝えるとスムーズな情報をまとめます。
清潔に保つことがいちばん大切
受診までにできる一番の対処は、穴の周りを「清潔に保つ」ことです。穴があると汚れがたまりやすく、虫歯が進みやすくなったり、歯ぐきが荒れたりすることがあります。
ポイントは、無理にほじらないことです。爪楊枝や尖ったもので突くと、欠けが広がったり、歯ぐきを傷つけたりすることがあります。歯みがきはいつも通り丁寧に行い、歯と歯の間は歯間ブラシやフロスでやさしく汚れを落とします。もしフロスが引っかかる、切れるなどがあれば、強く押し込まず、引っかかる感覚があったこと自体を受診時に伝える材料にすると良いです。
冷たいものや甘いもので少ししみる場合は、刺激を避けて食事を工夫するだけでも楽になります。痛くないからといって触りすぎず、落ち着いて日常ケアを続けるのが基本です。
市販のセメントやパテで埋める前に知っておきたいこと
「歯に穴があるから自分で治したい」「市販のパテで埋めたい」という気持ちは自然です。ただ、自己流で埋めると、表面だけ一時的にふさがって見えても、原因が残ったまま進行する可能性があります。さらに、穴の奥に汚れが閉じ込められたり、歯科で状態を確認しづらくなって診断が遅れたりすることもあります。
どうしても一時的に使ってしまった場合は、責める必要はありません。その代わり、受診時に「何を、いつ、どのくらい使ったか」を必ず伝えてください。除去や確認の手順が変わることがあるため、情報があるほど安全に進めやすくなります。
また、取れた詰め物を自分で戻すのも、噛み合わせのズレや誤飲のリスクがあるのでおすすめしません。基本は、清潔を保ち、早めに歯科で原因を確認する方針が安心です。
予約の電話やWEB予約で伝えると良い情報
予約の段階で状況を言葉にできると、当日の診療がスムーズになります。難しく考えず、次のような点を短く伝えるだけで十分です。
- ・いつ気づいたか、どの歯か、どのあたりか
- ・痛みはないか、しみるか、噛むと違和感があるか
- ・食べ物が詰まる、フロスが引っかかる、詰め物が取れた気がするなどの変化
- ・以前治療した歯かどうか、取れたものを保管しているかどうか
痛くない場合でも「穴が空いているように見える」「虫歯かどうか見てほしい」と伝えて大丈夫です。次は、歯医者でどんな検査をして、どのように治療方針が決まっていくのかを、流れに沿って説明します。
歯医者では何をする?検査から治療までの流れ
歯に「穴が空いている」ように見えるのに「痛くない」と、歯医者に行っても何をされるのか想像がつかず、不安になる方も多いと思います。実際の診療は、いきなり削るのではなく、まず「それが本当に虫歯なのか」「どのくらい進んでいるのか」を確認し、段階に合わせて治療を決めていく流れが基本です。
忙しい成人の方でも通いやすいよう、最初の受診で現状と優先順位を整理し、通院回数やペースの見通しを一緒に立てていきます。
見た目だけで決めず、必要に応じて検査で確認
見た目に穴があっても、虫歯だけでなく欠け、詰め物のすき間、すり減りなどが混ざっていることがあります。そのため歯科では、まずお口の中を丁寧に見て、穴の場所や形、周りの歯ぐきの状態、かみ合わせ、清掃状態を確認します。
そのうえで、必要に応じて画像で「内部の状態」も確かめます。歯は外から見える部分より、中で広がっていることがあるからです。たとえば、歯と歯の間や詰め物の下は見えにくく、痛くないまま進むこともあります。検査をしておくと「今すぐ治療が必要か」「経過観察でよいか」「他の原因か」をはっきりさせやすくなり、不安も整理できます。
穴の大きさと進み具合で治療は変わります
「虫歯で穴が空いている」と診断された場合でも、治療は一つではありません。基本は、進み具合に合わせて段階的に変わります。
浅い段階なら、虫歯の部分を最小限だけ取り除いて詰める治療で済むことが多いです。範囲が広い場合は、詰め物や被せ物で形と強度を回復する治療が必要になります。さらに深く進み、神経に近い、または神経まで達しているときは、神経の治療を行ってから被せ物で守る流れになることがあります。
ここで大切なのは、治療を「大きくしない」ために、痛くない時点でも現状を知っておくことです。穴が小さく見えても中で進んでいることはあるので、検査で深さを確認し、適切なタイミングで処置することが結果的に負担を減らしやすくなります。
痛みや不安が強い方への配慮
歯医者が苦手な方にとっては「治療の痛み」だけでなく、「何をされるかわからない不安」も大きいと思います。当院では、最初に状況を整理し、治療の選択肢と理由をわかりやすく説明したうえで進めます。痛みへの配慮としては、表面麻酔や細い針、麻酔液をゆっくり入れる工夫など、刺激を抑える基本を丁寧に行います。
また、恐怖心が強い方や緊張が強い方には、静脈内鎮静に対応しています。眠っているようなリラックスした状態で受けられる方法で、必要に応じて生体モニタで全身状態を確認しながら安全に進めます。治療自体も拡大視野での精密な処置を重視し、細かい部分まで確認しながら無理のない範囲で進めていきます。
できるだけ削らない・抜かない方針の考え方
当院は「痛くない・抜かない・削らない」を基本方針にしています。これは「絶対に削らない」という意味ではなく、むやみに健康な歯を削らず、残せる可能性を丁寧に探す、という考え方です。たとえば、削る量を抑えられる治療方法を検討したり、精密に確認して必要最小限の範囲で処置したりすることで、歯の寿命につながることがあります。
一方で、状態によっては感染部分をしっかり取り除く処置が必要な場面もあります。その場合も、なぜ必要なのか、放置するとどうなりやすいのか、代替案はあるのかを説明し、納得したうえで進められるようにしています。
治療回数と費用の目安について

歯に穴が空いているように見えても痛くないと、受診の優先度を下げてしまいがちです。ですが忙しい方ほど、早めに状態を確認しておくほうが結果的に通院回数が少なく済みやすく、予定も立てやすくなります。
治療回数や費用は、穴の大きさだけでなく「どこまで進んでいるか」「以前の詰め物の状態」「噛み合わせや歯ぎしりの有無」などで変わります。ここでは目安の考え方をつかめるように、よくあるパターンを順番に説明します。
小さな治療は短期間で終わることが多い
虫歯が浅い段階で見つかり、範囲が小さければ、比較的短い期間で終わることが多いです。たとえば、表面に近い部分の小さな虫歯であれば、必要なところだけを整えて詰める治療で対応できる場合があります。
この段階で受診できると、削る量も抑えやすく、治療の選択肢も広がりやすいです。痛くないうちに動くのは面倒に感じるかもしれませんが、あとから大きな治療になるより、時間の負担が小さくなることがよくあります。
型取りや被せ物が必要だと複数回になりやすい
穴が大きい、欠けが広い、詰め物の下で進んでいるなどの場合は、詰め物や被せ物で歯の形と強度を回復する必要が出てきます。この場合、型取りや調整が入るため、どうしても複数回になりやすいです。
途中の段階で仮のふたや仮歯を入れることがありますが、これは見た目のためだけではなく、汚れの侵入や刺激を抑えて、次の処置につなげるための大事な工程です。通院の間隔が空きすぎると、再び汚れが入りやすくなったり、仮の部分が外れてトラブルになったりすることがあるため、無理のない範囲で計画的に進めるのが安心です。
保険と自費で迷いやすいポイント
保険か自費かは、見た目だけで決めるものではありません。噛む力が強い部位か、清掃しやすい形にできるか、長い目で見たときにどんな状態を目指すかで、向き不向きが変わります。大切なのは、生活や希望に合った選び方をすることです。
迷いやすい判断軸としては、たとえば次のような点があります。
- ・目立ちやすい場所かどうか
- ・汚れのつきにくさや清掃のしやすさ
- ・割れにくさなど耐久性の考え方
- ・歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの影響
- ・修理や作り替えが必要になったときの見通し
当院では、無理に選択を迫るのではなく、検査結果と生活背景を踏まえて選択肢を整理し、納得して決められるように説明します。次では、特に前歯など見た目が気になる部位で選ばれやすい「白い詰め物」やセラミックの考え方を、注意点も含めてお伝えします。
虫歯で見た目が気になる方へ
歯に「穴が空いている」ように見えて、しかも「痛くない」と、急ぎではない気がしてしまう一方で、前歯や笑ったときに見える位置だと「見た目が気になる」という悩みも出てきますよね。穴の治療はまず噛める状態に戻すことが目的ですが、目立つ場所では自然な見た目も大切です。
ここでは、白い詰め物やセラミックを検討するときの考え方を、メリットだけに寄らず誠実に整理します。実際にどれが向くかは、虫歯の範囲、残っている歯の量、噛み合わせなどで変わるため、最終判断は診断を踏まえて決めていきます。
白い詰め物で自然に仕上げられるケース
比較的小さめの虫歯で、削る範囲が大きくない場合は、白い詰め物で自然に仕上げられることがあります。前歯や小臼歯など、見えやすい場所で「銀歯は避けたい」と感じる方が選ぶことも多いです。
ただし、白い詰め物がいつでも最適とは限りません。穴が大きい、欠けが広い、噛む力が強くかかる部位などでは、欠けやすさや長持ちの観点から別の方法が向くことがあります。見た目と耐久性、清掃のしやすさをバランスよく考えるのがポイントです。
セラミックが向く場合と、気をつけたい点
セラミックは、見た目を自然に整えたい方や、汚れのつきにくさなど清掃性も重視したい方の選択肢になります。特に、虫歯で削る範囲が広くなり、詰め物では強度が足りにくい場合に「被せ物」として検討されることがあります。
一方で、セラミックは噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりの影響を受けやすく、選び方を間違えると欠けやすくなることもあります。また、残っている歯の量が少ないケースでは、どの素材でも限界があるため、まずは土台づくりや噛み合わせの調整を含めて治療計画を立てることが大切です。当院では、見た目だけでなく、長く使えるかどうかも含めて一緒に整理していきます。
短期間で歯並びや見た目も整えたい方はセラミック矯正も検討を
「虫歯の穴は直したいけれど、前歯の形やすき間、歯並びの見え方も気になる」という方もいらっしゃいます。状況によっては、セラミックを使った方法で見た目を整える選択肢が検討に入ることもあります。
ただし、適応できるかどうかは、虫歯の進み具合、歯ぐきの状態、噛み合わせ、歯をどの程度残せるかで大きく変わります。メリットだけでなくリスクや治療計画の考え方も含めて、別ページで詳しくまとめています。
まとめ:虫歯で穴が空いている時は早めの検査を

歯に「穴が空いている」のに「痛くない」と、つい様子見したくなります。しかし、痛みは虫歯の進み具合と一致しないことがあり、表面の段階で痛みが出にくい場合もあれば、逆に進んで神経が弱って痛みを感じにくい場合もあります。過去に治療した歯では、詰め物や被せ物の下で進む二次虫歯も起こりやすく、痛み以外のサインで気づくことが少なくありません。
また、見た目が「穴」に見えても、欠けやヒビ、酸蝕症やすり減り、詰め物の脱離やすき間など、虫歯以外の原因が混ざることもあります。自己判断で決めつけず、検査で原因と深さを確認することで、不安が整理でき、治療も必要最小限に近づけやすくなります。
受診までの間は、無理に触らず清潔を保つことが基本です。市販のセメントやパテで埋める方法は、原因が残ったまま進む可能性や診断が遅れる心配があるため、慎重に考えるのが安全です。歯医者では、見た目だけで判断せず必要に応じて検査を行い、穴の大きさと進み具合に合わせて治療方針を決めていきます。忙しい方ほど、早めに受診しておくと通院回数や治療の負担が小さく済みやすい点も覚えておくと安心です。
ヤスデンタルクリニックでは、痛みや不安に配慮した麻酔の工夫や、緊張が強い方への静脈内鎮静、拡大視野での精密な治療を通して、できるだけ歯を残す方向で治療計画を立てています。気になる変化がある場合は、早めに相談・カウンセリングをご利用ください。




