口ゴボ治療のセットバック後にガミースマイルになってしまった症例（アンカースクリュー矯正・歯冠長延長術）

口ゴボ治療の為にセットバックを美容外科で行い、術後ガミースマイルになってしまったトラブル相談で、ご相談で来られました。

セットバックとは

セットバックとは、前から４番目の歯と骨を切断し、その開いたスペースに前方部の骨を後ろに引っ込める手術になり、主に口ゴボ治療に行われます。この骨を引っ込める際の、骨の位置付けによってはガミースマイルになってしまうことがあります。

本来セットバック治療は、骨を真後ろに引っ込める治療になりますが、上記写真のように骨が下側にズレた状態で付いてしまうとガミースマイルになってしまいます。

臨床例

治療前

セットバック治療後でガミースマイルになってしまった状態です。軽く微笑むだけで、歯茎が見えてしまい、上の歯が下の歯を覆い被さっており、全く下の歯が見えないのも気になっておられました。また歯の隙間も無くして綺麗に治したいとご希望がございました。

治療後

セットバック治療で、骨と歯が下側に付いてしまっていた為、アンカースクリューを用いた矯正治療で歯と骨を上方に押し上げました。また歯が短かった部分は歯冠長延長術を行い、矯正後に残ってしまった隙間には、ラミネートベニアを用いて隙間を閉じて治療を行いました。

治療後は、下の歯もしっかり見えるほど歯が上方に持ち上がり、綺麗な印象の口元に変化しました。

下記に治療経過を順を追って記載していきます。

アンカースクリュー矯正開始

先ずは、上顎に４本のアンカースクリューを入れて、矯正治療を開始しました。前歯に通したワイヤーとアンカースクリューをゴムで牽引して上方に力をかけていきます。この歯を上方に持ち上げる矯正は、矯正治療の中でも最も歯を動かすのが難しく、急激に力を加えると、歯の根が吸収してしまったりするリスクも伴うため、徐々に矯正力をかけていきます。

アンカースクリュー矯正終了時

アンカースクリューを用いた矯正治療を９ヶ月かけて行いました。矯正治療後は歯が上方に持ち上がることで、下の歯が見えるようになったのが分かります。結果として４mmほど上方に移動した為、ガミースマイルも大きく改善しました。

歯冠長延長術

矯正治療終了後、歯の長さを整える歯冠長延長術を行いました。治療後は、歯が長くなり歯茎の高さが揃うことで綺麗な印象になってきたのが分かります。ただし、まだ歯の下のラインが揃っておらず、歯の隙間も残っているため、次のセラミック治療へと進んでいきます。

ラミネートベニア

前から２番目に歯に２枚のラミネートベニアを使用して治療を行いました。０.５mmほどの薄いセラミックの板を貼り付ける治療のため、ほとんど天然の歯を削らずに審美改善を行うことができます。歯の下のラインもスマイル時の口唇に合わせて長さを調整しています。

治療前後の比較（口元）

術前は、軽く微笑むだけでガミースマイルになっていたのが、治療後は思いっきり笑っても、歯茎が見えることは無くなりました。

治療前後の比較（口腔内）

術後は、アンカースクリュー矯正で下の歯も見えるようになり、また歯冠長延長術とラミネートベニア治療で、全体的に統一感が出て見違えるほど綺麗になりました。治療期間はかかりましたが、患者様も「本当に綺麗になって嬉しいです！やって良かったです✨」と喜んで頂けました。

当院では、年間３００症例以上のガミースマイル治療の経験から、さまざまなガミースマイル治療方法に対応しております。患者様と十分にご相談した上で、より良いガミースマイル治療の方法を一緒にご相談して決めるようにしております。

年代・性別	２０代女性
主訴	セットバック後のガミースマイルを治したい、歯が短い
治療内容	アンカースクリュー矯正・歯冠長延長術・ラミネートベニア
費用	３８.５万（税込）・２２万(税込)・１９.８万（税込）
期間	１.５年
リスク・副作用	しっかりとした診査診断ができていないと正しい治療効果が得られないことがあります。一時的に痛みや腫れを伴うことがあります。