『歯並びが悪いのを治したい』という場合に、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが、ワイヤーを使った矯正治療ではないでしょうか。近年ではワイヤーだけでなく、マウスピースを活用した矯正治療なども人気になってきております。ただしこういった歯列を動かすことによる矯正治療は、治療に年単位での時間がかかったり、その期間中は毎月歯科医院に通ったりと、患者様のご負担も大きい治療です。
そこでワイヤー矯正、マウスピース矯正に次ぐ3つ目の選択肢として注目を集めているのが、セラミック矯正と呼ばれる矯正治療です。セラミック矯正には、従来の歯列を動かす矯正治療と比較してさまざまなメリットがあり、当院にもセラミック矯正をご希望の患者様がたくさんご来院くださいます。
そんなセラミック矯正のメリットについて、このページでご紹介します。ただしもちろん、セラミック矯正にもデメリットやリスクなどもございますので、メリットと併せてそれらもしっかりとご説明します。ぜひこのページをご覧になって、メリットだけでなくデメリットやリスクまでご理解いただき、その上でご自身に合った治療を選ぶのに役立てていただければと思います。
当院では日々多くのセラミック矯正を行っております。通常のセラミック矯正だけでなく、他院で受けたセラミック矯正のリカバリー治療（再治療）も行っております。セラミック矯正のやり直しは難易度の高い治療のため、どこの歯科医院でも行えるというわけではありませんが、当院ではセラミック矯正のリカバリーを専門的に行っておりますのでご安心ください。
まずは一度、当院のセラミック矯正の症例をご覧ください。症例をご覧いただけば当院の技術力が一目でご理解いただけます。また、当院ではセラミック矯正や他院でのセラミック矯正のやり直しの治療をご希望の方に、無料でのカウンセリングを行っております。お気軽にご相談へお越しください。
セラミック矯正とは
セラミック矯正は、元々の自分の歯の上に、セラミックでできた被せ物（セラミッククラウン）を被せることで、歯の形や大きさ、向き、色などを整えて綺麗な歯並びに見えるように調整する治療です。
今回比較の対象とするワイヤー矯正やマウスピース矯正は、『歯列矯正』と呼ぶことがありますが、これは歯を動かすことによって歯列を変化させて矯正するからです。対してセラミック矯正では、歯を動かすことはありません。
セラミック矯正は歯を動かす訳ではなく、歯を削ってその上にセラミックの被せ物を被せるので、厳密には矯正治療というよりも、審美治療というのが適しているかもしれません。
このように、『歯を動かすかどうか』が、セラミック矯正とワイヤー矯正やマウスピース矯正との最大の違いとなります。
セラミッククラウン（被せ物）
セラミック矯正では、セラミック製の被せ物（クラウン）を歯に被せることで、歯列の審美性を高めます。セラミック矯正のクラウンにもさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。例えば奥歯のセラミック矯正を行う際には、より硬さに優れたクラウンを使用したり、前歯のセラミック矯正を行う際には、より審美性に優れたクラウンを使用したりします。
セラミック素材の特徴としては、天然の歯に似た色味や透明感があること、経年劣化による変色や変質がほとんど無いこと、耐熱性の高さ、耐久性の高さ、着色のしにくさなどが挙げられます。
セラミック矯正のメリット・デメリット
メリット
セラミック矯正のメリットは、以下の通りとなります。
- 治療期間が短く通院回数が少ない
- 治療期間中の見た目が気にならない
- 歯の色や大きさ、形までこだわれる
- 後戻りしない
- 治療中に虫歯や歯周病になりにくい
- 金属アレルギーの心配がない
- 歯列矯正より費用が抑えられる場合がある
それぞれ詳細をご説明します。メリットよりもデメリットを詳しく知りたいという方は、下にスクロールしていただければデメリットについてもご説明しておりますので、ご覧ください。
①治療期間が短く通院回数が少ない
セラミック矯正の大きなメリットとして、治療期間が短いことが挙げられます。一般的な矯正治療が1年前後〜長いと3年近くかかる場合もあるのに対して、セラミック矯正は1ヶ月~2ヶ月程度で治療が完了します。そのため結婚式や就活の面接など、人前に出る機会があり急いで口元を綺麗にしたい、といった方の要望にも応えることができます。
また一般的な矯正治療は月に1回程度の歯科医院への通院が必要なため、矯正治療が終わるまでに数十回通院することも珍しくありません。セラミック矯正であれば、数回の通院で治療を完了することができます。
②治療期間中の見た目が気にならない
矯正治療といえば目立つワイヤーを装着するイメージが強く、それが嫌で治療に踏み切れなかったという方も多いのではないでしょうか。セラミック矯正はお口の中にワイヤーのような装置を入れることがなく、治療期間中も仮歯を装着することができるので、治療期間中の見た目が気になることはほとんどありません。
もちろん仮歯期間中は多少審美性が落ちてしまいますが、仮歯の期間は短いためワイヤー矯正のように年単位で見た目を気にしなければいけないということはありません。
③歯の色や大きさ、形までこだわれる
セラミック矯正では歯並びを綺麗に見せられるだけでなく、歯の色や大きさ、形にまでこだわった被せ物を製作することができます。自然な見た目の歯列にすることも、芸能人のように真っ白な歯列にすることも、患者様の希望次第で自由にカスタマイズが可能です。
まずは一般的な矯正治療で歯並び全体を整えた後に、歯の色や形に不満を持って再度セラミック矯正を行う、という方もおられます。
④後戻りしない
歯の位置を動かすワイヤー矯正やマウスピース矯正といった歯列矯正治療の後には、歯が元の場所に戻ってしまう『後戻り』という現象が起きるリスクがあります。後戻りを防ぐためには保定装置というものを装着する必要があり、治療完了後にさらに2年〜3年ほど保定を続けます。
セラミック矯正では、そもそも歯の位置を変えないため、後戻りが起きることはありません。また後戻りがないため、保定装置をつける必要もありません。
⑤治療中に虫歯や歯周病になりにくい
ワイヤー矯正は矯正治療中に虫歯や歯周病のリスクが高くなることで知られています。ワイヤーと歯の間に汚れが溜まったり、ワイヤーが邪魔でうまく歯磨きができなくなったりすることが主な原因です。
セラミック矯正では、ワイヤーなどの治療装置を装着しないため、治療期間中に虫歯や歯周病のリスクが高まることはありません。さらにセラミックのクラウンは表面が天然の歯よりもツルツルとしているため、汚れが付着しにくく、治療後の虫歯や歯周病のリスクも下げられる場合がございます。
⑥金属アレルギーの心配がない
ワイヤー矯正に使用するワイヤーは金属でできているため、金属アレルギーをお持ちの方は治療が行えない場合があります。セラミック矯正で使用するセラミッククラウンは、金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がなく安心して治療を受けていただけます。
※ただし金属を使用するクラウンもあるため、治療を受ける際には金属の使用について医師にご確認してください。
⑦歯列矯正より費用が抑えられる場合がある
セラミック矯正は矯正を行う歯の本数に応じて費用が変動します。そのため治療を行う歯の本数が少ない場合は、歯列矯正を行うよりも費用が少なくなる場合があります。
また歯列矯正では矯正期間中の毎月の通院費用や、治療完了後の保定装置の費用などもかかります。セラミック矯正も、治療終了後には定期的なメンテナンスが必要ですが、総額で考えるとセラミック矯正の方が安くなったというケースが多いと思われます。
デメリット
続いてセラミック矯正のデメリットについてご紹介します。セラミック矯正のデメリットは、以下の通りとなります。
- 歯を削る必要がある
- 神経を抜いてしまう場合がある
- 虫歯や歯周病のリスクが高くなることがある
- 治療後にセラミックが欠けることがある
- 歯列矯正より費用が高くなる場合がある
メリットの非常に多いセラミック矯正ですが、このようにデメリットもございます。詳しくご説明いたしますので、治療を選ぶ際の参考になさってください。
①歯を削る必要がある
セラミック矯正の大きなデメリットとして、ご自身の歯を削る必要がある点が挙げられます。セラミック矯正では、歯の上にセラミッククラウンを被せる関係で、ご自身の歯を削って一回り小さくする必要があります。
一度削った歯は、元に戻ることはありません。また歯を削れば削るだけ、歯の寿命が短くなるといわれており、セラミック矯正を行う歯科医師には歯を削る量を最小限にするための知識と技術が求められます。
②神経を抜いてしまう場合がある
セラミッククラウンを被せる際には、歯の形や歯の角度などによって、大きく歯を削らなければいけない場合もあります。その際に歯髄（歯の神経）が露出するほどまで削る必要があると、歯髄炎を防ぐために歯髄を抜く処置が必要になる場合があります。
歯髄を抜いた歯は、削っただけの歯と比べてより大幅に寿命が短くなってしまいます。当院では、歯髄を抜かないようにセラミック矯正を行っております。どうしても歯髄を抜かなければいけないケースは、短期間のマウスピース矯正治療を組み合わせて、歯に負担をかけないセラミック矯正治療をご提案させて頂いております。
③虫歯や歯周病のリスクが高くなることがある
セラミック矯正後に、被せ物と歯の間にわずかな隙間が生じることがあり、歯磨きなどの適切な歯のケアを行えていない場合、隙間に汚れが溜まってしまう場合があります。被せ物の内側に汚れがたまると、虫歯の原因となる菌が繁殖してしまう原因になり、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。
セラミッククラウンは表面が天然の歯よりもツルツルとしているため、汚れが付着しにくく、歯磨きをはじめとしたご自宅でのオーラルケアや、定期的な歯科医院でのメンテナンスを行うことで、虫歯や歯周病のリスクを下げられます。その反面、適切なケアができていなかったり、隙間が開いたセラミックを入れてしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまうため注意が必要です。
④治療後にセラミックが欠けることがある
セラミックは変質しにくく、耐久性に優れた素材です。定期的なメンテナンスを行うことで、10年、20年と使い続けることができます。しかし、メンテナンスを怠っていたり、歯の食いしばり癖、歯をぶつけてしまった、などが原因でセラミックが欠けてしまう場合がございます。
セラミックが欠けてしまうと、作り直しには再度費用がかかります。
⑤歯列矯正より費用が高くなる場合がある
セラミック矯正は治療する歯の本数に応じて費用が決まるため、治療する歯が多い場合は、歯列矯正よりも費用が高くなる場合もございます。また将来的にセラミックの歯が欠けてしまったり、セラミックの寿命によって再度治療が必要になり、費用がかかる場合もございます。
そのため患者様一人一人のケースに応じて、一般的な矯正治療とセラミック矯正、どちらが費用負担が少なくなるかは異なります。
まとめ：セラミック矯正はこんな方におすすめです
ここまで、セラミック矯正のメリットとデメリットをご説明しましたが、比較検討するべき要素が多すぎて判断が難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで以下では、当院が考えるセラミック矯正がおすすめな方の特徴をご紹介します。以下に該当するような方は、セラミック矯正のメリットが大きいと当院では考えています。あくまでも参考程度ではありますが、ご覧ください。
- イベントなどを控えていて今すぐ口元を綺麗にしたい方
- 矯正治療を長期間にわたって行いたくない方
- 治療後の歯の色や形にまでこだわりたい方
- 金属アレルギーが心配な方
- 元々歯が欠けていたり虫歯治療で削っていたりする方
- しっかりと歯磨きや治療後のメンテナンスができる方
これらに該当する方であれば、セラミック矯正のメリットが大きく働く可能性が高いのではないでしょうか。もちろん、患者様一人一人のお口を診断させていただき、直接お話しなければ結論は出せませんので、上記も一つの参考程度に考えてくだされば幸いです。
当院ではセラミック矯正をご希望の患者様に、無料でのカウンセリングを行っております。無料カウンセリングの結果、治療を見送るというご判断をしていただいても問題ありません。ご自身に適した治療がわからない、セラミック矯正に興味はあるけれどあと一歩踏み出せない、という方はぜひお気軽に当院の無料カウンセリングをご活用ください。
