セラミック矯正は、近年大変人気が高く、実際に当院にも多くの患者様がセラミック矯正治療を受けに来てくださいます。素早く・手軽に歯並びを美しく整えられるため、メリットの非常に多いセラミック矯正ですが、もちろんセラミック矯正にはデメリットもございます。デメリットを理解せずにセラミック矯正を選択すると、さまざまなトラブルが起きてしまう場合もあるため、患者様ご自身が治療前にセラミック矯正の性質を理解し、その上で治療を選択いただくことが重要です。

このページでは、セラミック矯正のデメリットとセラミック矯正で実際に起きることがあるトラブルの事例、そのようなトラブルを起こさないための当院の治療での取り組みについて、解説いたします。
当院では、折角歯を綺麗にするのであれば、より長持ちし、よく噛める、トラブルの少ないセラミック矯正治療を提供したいと考えております。
このサイトが皆様のお口の中のお悩みを解決し、より笑顔溢れる生活の一助になれば、大変嬉しく思います。

セラミック矯正の
よくあるトラブル

01.健康な歯を削った

セラミック矯正をする場合は、ほとんどが差し歯と言われる被せ物の治療になります。差し歯を入れる為には、歯の全周を削り差し歯が入るように形を変えなければなりません。その為には本来削る必要のない健康な歯までも、削ることになり、歯には負担がかかります。どんな素晴らしい治療をしたとしても、天然の歯にかなうものはありません。一番丈夫で長持ちし、機能的なのは天然の健康な歯です。

人間の歯には、治療に耐えられる回数が決まっています。有名な論文データにもありますが、1本の歯に対し平均5回治療を行えば抜歯に至るというデータがあります。歯の長持ちの秘訣は、なるべく削らない、詰め物・被せ物を入れない、神経を抜かないことが重要です。仮に審美性改善の為にセラミックが必要になった場合でも、可能な限り健康な歯に負担がかからないように治療を行うことが重要です。セラミック治療でも、可能な限り健康な歯を削らないラミネートベニアと言われる治療や、ハイブリットセラミックを審美的に詰めるダイレクトボンディングなどの治療もございます。個人個人で最適な治療は、さまざまですので、先ずは歯の寿命を短くしない治療方法を検討される事をお勧め致します。

当院では可能な限り健康な歯を削らず治療します

当院では、可能な限り健康な歯を削らずに、審美的なセラミック治療を行うようにしております。セラミック矯正では、被せ物を入れる為に歯の全周360度全てを削りますが(歯の70%を喪失)、ラミネートベニアと言われる薄いセラミックの板を貼り付ける治療であれば、歯を削らないか(歯の喪失0%)、もしくは削っても歯の表面だけを0.5mmだけ薄く削り(歯の5%を喪失)審美性を獲得できます。


歯を削る前と削った後で、ほとんど歯の形が変わってないのが分かります。


より負担の少ない選択肢をご提案

当院では、なるべく歯を削らなくてすむラミネートベニアやダイレクトボンディングの治療も行っているため、よりご負担の少ないセラミック治療を行っております。
最大限に歯を削らない審美治療をご提案致します。

02.抜歯をした

セラミック矯正をする際に、歯並びから外れてしまっている位置異常の歯を抜歯することがあります。この代表的なのが八重歯になります。外に飛び出したような八重歯を抜歯し、セラミックで内側に入れることで歯並びを整えます。

本来、八重歯(犬歯)は噛み合わせにおいて重要な役割を果たします。人の一番理想的な噛み合わせは、犬歯ガイドと言われるような、左右に歯軋りする際に八重歯(犬歯)で擦ってきて、奥歯は離れるような噛み合わせが一番トラブルが少ないと言われています。厚生労働省が行っている調査で、80歳で20本以上歯が残っている方の噛み合わせは、全てこの犬歯ガイドと言われる理想的な噛み合わせをしていました。この重要な八重歯(犬歯)を抜歯するということは、将来的に歯が長持ちしない噛み合わせを作ってしまう事になります。
審美性のためだけに、長持ちさせるのに最も重要な歯を抜くことは、あまりにも暴力的な治療と言わざるをえません。

03.神経を抜いた

セラミック矯正で、歯並びを整える為に、歯の中の神経を抜くことがあります。
セラミックの被せ物を入れる際に、必ず歯を削ることが必要になりますが、歯並びが悪い歯にセラミック矯正をする場合は、より多くの歯を削らなければセラミックが入りません。この削る量が多くなってしまうと中の神経を抜くことになってしまいます。

そもそも、人間の歯には、治療に耐えられる回数が決まっています。有名な論文データにもありますが、1本の歯に対し平均5回治療を行えば抜歯に至るというデータがあります。要するに、歯の長持ちの秘訣は、なるべく削らない、詰め物・被せ物を入れない、神経を抜かないことが重要です。

神経を抜いてしまうと歯の寿命が短くなる?

神経を抜いてしまうと歯の寿命は極端に短くなってしまいます。歯の内部には神経とともに血管が走っています。神経を取るということは内部の血管も一緒にとる事になってしまいます。神経が生きている歯は血管から栄養を受け取り、みずみずしい状態ですが、神経を抜いてしまうと、血管も同時に無くなることになるので栄養を受け取れなくなってしまい、枯れ木のような状態になり、歯が割れたりするトラブルが多くなってしまいます。また虫歯が出来ても、神経を抜いているため、しみたりお痛みが出ることはなく、知らないうちに内部で虫歯が進行し、気付いた時には、もう歯を抜かなければならない状態になっていることも少なくありません。
また神経を抜いた後には、根管治療と言われる歯の内部の根っこ消毒治療が必要になります。
この根管治療は無菌的な状態で治療を行わないと、後に内部で膿んできてしまい、痛みが出たり、歯を支えている骨を溶かし抜歯になることもあります。
神経を抜いてしまうと、歯の寿命は10年程度と言われています。
神経をなるべく抜かない、歯を削らない治療をおすすめします。

04.歯の軸の変更をした

歯が極端に前に出たり、内側に入ってしまったのを、セラミック矯正で審美的な位置に歯を並べることで、歯の軸が変更されてしまいます。セラミック矯正は、通常の歯列矯正とは異なり、歯の頭の部分(歯冠部)だけをセラミックの被せ物で補正を行うため、本来の歯の形状(軸)とは違う状態になります。天然の歯はよく出来ており、歯の根っこ(歯根)と頭の部分(歯冠)が効率よく噛む力に耐えられるような形状をしています。

セラミック矯正では、この歯の歯根と歯冠の角度(軸)を、天然の歯とは違う角度(軸)にしてしまっているので、構造力学上、噛む力に対し弱くなってしまうことが分かっています。

歯の軸を変更することで起こるトラブル

セラミック矯正で、歯の軸の変更をしてしまうことで、起こりうるトラブルは下記のようなことが考えられます。

  • 被せ物が外れやすい
  • 食事を噛めない、噛み合わせが悪い
  • 神経を抜かなければならない
  • 歯の破折
  • 歯磨き出来ないエリアが出てくる

このように、歯の軸を変えることで、一見すると綺麗にはなりますが、他に生じるトラブルやリスクが沢山あります。歯の軸を変えることなく、本来の天然の歯と同じような形状(軸)でセラミック治療を行うことが、より審美的でトラブルも少なく長持ちすることにつながります。

当院では健康な歯を抜歯したり、神経を抜いたり、歯の軸の変更を行うことは致しません

当院では、セラミック治療を行うにあたり、健康な歯を抜歯したり、神経を抜いたり、歯の軸の変更を行うことは致しません。その理由は、歯の寿命を短くしてしまい、長持ちしないからです。当院では、皆様のお口元を綺麗にしたい想いと同じくらいに、そのセラミックを長く保ち続けて欲しいと願っています。
上記3項目を行えば、治療期間が短縮され早くセラミックが入ることになりますが、長い人生を考えた時に、長く保たなければ、必ず再治療をしなければならない時期がきます。そしてその再治療は1回目の治療よりもさらに大掛かりになり、時間と費用がかかります。セラミック治療を行うのであれば、速さや楽さを優先せず、最初に少し期間がかかってしまうかもしれませんが、しっかり腰を据えて治療してください。必ず長い目で見ると、時間と費用の節約になります。そして何よりもセラミックを長くお使い頂けると思います。
歯並びが悪いことが原因で、抜歯や神経を抜いたり、歯の軸を変更しなければならないので、先ずはその根本の歯並びを治す歯列矯正を是非考えてください。その根本の原因にアプローチすることで、セラミックを長く保つ条件が揃い、より自然な綺麗なセラミックが入ります。

05.臭い(歯磨きができない)

セラミック矯正は、審美性の為に、本来の天然の歯の形を大きく変えてしまうため、歯磨きがし難くなってしまい、汚れが溜まりやすい環境になります。
そうなることで、歯茎は常に腫れた状態で、炎症を起こし歯周病の原因になります。
歯周病の症状として、歯茎から血が出やすくなったり、口臭がするなどの不快症状が出るばかりか、最終的には抜歯になってしまうこともあります。

一番歯磨きを行いやすい形態は、天然の持って産まれた歯です。天然の歯はよく出来ており、歯磨きを行いやすいような形をしており、きちんとメンテナンスを行えば、50年でも100年でも保たせることができます。
セラミックの被せ物であっても、きちんと歯ブラシが行き渡り、綺麗に保てるような形態にすることが重要です。
折角、綺麗になるために入れたセラミックが、臭ったり、歯周病になってしまってはもったいないですよね。
セラミック矯正をされた方、セラミックを入れて綺麗な口元になりたいとお考えの皆様は、他の誰よりも、口元に関心があり、歯の重要性を感じられている方が多いと思います。だからこそ、きちんと健康で長持ちする、トラブルが少ないセラミック治療を受けて頂きたいと思います。

当院のセラミック治療は、汚れが溜まりにくく、きちんとメンテナンスを行えます

セラミック矯正後のトラブル事例です。
左側の写真はセラミック矯正の治療後の状態ですが、汚れが溜まり歯茎が腫れているのが分かります。セラミックを入れることで大きな段差ができてしまい、歯ブラシがしっかり当たらない状態でした。
一方、右側の写真は汚れも溜まらず健康な歯茎の状態ですが、段差がなく滑らかな形態で、ご自身での歯磨きで十分汚れを落とすことができます。
このように段差がなく、歯磨きしやすい形態にすることが、歯周病にもかからず長期的に安定させることができます。


当院のセラミック治療は汚れが溜まりにくく
きちんとメンテナンスを行うことができ歯茎に腫れがありません。

06.被せ物がすぐ外れる

セラミック矯正をされている方にご経験されている方は多いのではないでしょうか?
被せ物がしっかり留まる原理は、茶筒の原理と同様です。茶筒のように、ある程度高さがある物に対し、平行に設計された筒と蓋がしっかりはまり込むことで、蓋が外れずに、しっかり密封されます。

被せ物も同様で、ある一定の量の土台となる歯の長さが必要で、平行に形を丁寧に整えなければ、被せ物が外れやすい環境になってしまいます。
セラミック矯正では、歯が正常の位置に無い歯を削らなければならない為に、どうしても土台部分の歯が短くなり、被せ物が外れやすい状態になってしまいます。
また被せ物が外れやすいということは、しっかり留まっていない事を意味するため、緩みが生じて、中に虫歯菌が入り込み、虫歯になりやすくもなってしまいます。

そこでセラミック矯正では、被せ物を、外れにくくするために何本かの歯を繋ぎ合わせて連結させています。こうすることで被せ物自体は一見、外れにくくはなりますが、根本の土台の歯の短さは変わらないため、長期的に見ると外れてしまうトラブルに見舞われることになります。また何本も連結することにより、歯磨きが行い辛くなることで口臭や歯周病の原因にもなるので、原則、不用意に歯を連結することは避けた方が良いでしょう。
本来の歯が、一本一本で独立しているように、セラミックの被せ物も、連結は行わずに、一本一本で独立させるような設計にすることが、長く保たせる秘訣になります。

当院では被せ物が外れにくい土台を形成します

被せ物を入れる為に、歯を土台の状態に削りますが、この削り方次第では、被せ物が外れやすくなってしまいます。


被せ物が外れやすい土台の形
  1. 土台の高さが低い
  2. 茶筒のような並行性がない
  3. 被せ物と土台のフィット(適合)が悪い→型取りが精密じゃない

当院では、患者さまが見えないところにもこだわります。
そして、自然できれいなセラミックを長くお使い頂けます。

07.噛めない

セラミック矯正は、審美性を最優先に治療を行うため、食事の噛みやすさや、顎への負担などは、ほとんどの場合、考慮されておりません。本来、天然の歯は良く噛めるように、山谷がはっきりし、凸凹のある形態をしています。上の歯の凸が、下の歯の凹にはまり込むことで、効率よくお食事を粉砕しています。

奥歯1本の歯であれば6ヶ所以上で接触することが必須条件となりますが、短期間で多くの歯の本数の治療を行うセラミック矯正では、その細かい噛み合わせまで手を付けれないのが実情です。硬いセラミックであれば、なんでも噛めるという訳ではなく、上下の凸凹が効率よく噛み合うことが重要になります。奥歯に入っているセラミックは平たい形態をしていないでしょうか?凹凸がない奥歯は、ただ食事を薄く平に伸ばすだけで、食事は噛めていません。

また、極端に前に出たり、内側に入ってしまった歯をセラミック矯正すると、前歯同士が噛み合わないこともあります。前歯に隙間が空いていると、物を前歯で噛み切ることができず、野菜やお肉などの繊維質なものは食べにくくなってしまいます。折角綺麗になる為にセラミック治療をされるのであれば、美味しく食事も楽しみたいですよね。噛めないセラミックには、必ず理由があります。

当院では、奥歯でしっかり食事を噛んで頂けるセラミック治療を行っております

奥歯のセラミックが完成し、装着前の状態ですが、上下の歯で接触している点を印記しています。
1本の歯に対し、何点も上下の歯を接触させるには、非常に繊細な治療で技術力が要求されます。
天然の歯のように、上下の凹凸がしっかり嵌合して、お食事を粉砕できるような形態にし、硬いお肉や繊維質なお食事も、しっかり噛めるようなセラミックを作成しております。

このように当院では、セラミック矯正のトラブルが起きないように患者様の将来を見据えた治療を行っております。
また、セラミック矯正のやり直し(リカバリー)にも対応しておりますので、ご相談ください。

>>セラミック矯正のやり直しについてはこちら

実際にあったトラブル症例で解説

症例1

②⑤:抜歯されている
①③④⑥:神経が抜かれている
黄色い矢印:歯の削りすぎで、中で神経が壊死して膿んでいる
緑の矢印:セラミックの形が歯磨きできない為、歯石が溜まり歯周病になっている

上下の歯が噛んでいない為、前歯に隙間がある
➡︎前歯で食事を噛むことができない

本来の歯の軸とは異なり、頭部分(歯冠部)を内側に曲げてセラミックを入れているので、歯の構造力学が崩れ、噛む力に耐えられない。

症例2

黄色の○:被せ物が外れやすい為、中で緩みが生じて、虫歯菌が入り込み内部が黒くなっている。

緑の線:逆ハの時に削られ平行でないので、茶筒の原理が作用せず、被せ物が外れやすい。

水色の矢印:歯の軸の変更されているため、歯が短く被せ物が外れやすい。

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