コラム一覧

『セラミックを入れたのに、歯と歯ぐきの境目が黒い』

『歯ぐきが腫れて、歯磨きのたびに血が出る』

『被せた歯のまわりが痛い、においも気になる』

セラミック治療を受けたあと、このようなお悩みを抱えて当院へご相談に来られる方は少なくありません。実はこの「黒い・腫れる・血が出る・痛い」という症状は、それぞれ別々のトラブルのように見えて、その多くが「歯とセラミックの適合不良(すき間)」という一つの原因からつながって起きています。

大阪・天王寺区でセラミック矯正と歯列矯正の両方に対応するヤスデンタルクリニックでは、他院で受けたセラミックのトラブルや、やり直し(リカバリー)治療を専門的に行っております。セラミックのやり直しは難易度の高い治療のため、どこの歯科医院でも行えるというわけではありませんが、当院では院長・松井泰隆が専門的に対応しております。

当院の症例をまじえながら、それぞれの原因や対処法を詳しくご説明していきますので、ご覧いただければ、必ず解決策が見つかると思います。

目次

セラミック後の「黒い・腫れる・血が出る・痛い」は、実は別々のトラブルではありません

セラミック治療をした後に起こるトラブルで多いのが、歯茎の境目が黒い歯茎の腫れ歯茎からの出血・痛み臭い歯茎から膿が出る、などが挙げられます。

セラミック矯正のトラブル

多くの解説記事では、これらはそれぞれ別々の原因によって起こる症状として説明されています。

しかし、臨床の現場では、これらの症状が実は一つの原因から連鎖して起きているケースを数多く経験しています。

私自身、このテーマについて詳しく解説している記事や歯科医院のホームページは、これまでほとんど見たことがありません。

当院には、セラミック矯正やセラミック治療後のトラブルについて、全国から多くの患者様がご相談に来られます。

その診療経験の中で得られた知見と、実際の患者様の経過をもとに、「なぜ黒くなるのか」「なぜ腫れるのか」「なぜ出血や痛みが起こるのか」、そしてそれらがどのようにつながっているのかを分かりやすく解説していきます。

見逃していませんか?|セラミック治療後によく見られる5つのサイン

セラミックのトラブルの症状としては、明らかに痛みが出るような場合には、症状が進行しているケースが多く、ほとんどの方は、重症化するまで無症状なので、気づかないうちにセラミックのトラブルが進行していることも少なくありません。

鏡を見ながら、次のような症状がないか確認してみてください。

✔︎セラミックと歯茎の境目が黒い

✔︎セラミックを入れた歯だけ歯茎が赤く腫れている

✔︎歯磨きやフロスで血が出る

✔︎噛むと違和感や痛みがある

✔︎口臭が気になる、または歯茎から膿が出る

一つでも当てはまる場合は、セラミックの周囲で何らかのトラブルが起きている可能性があります。

これよりセラミックのトラブルで、最も多い原因の「歯とセラミックの適合不良」について、その原因や対処法を詳しく解説していきますので、トラブルの症状が出始めている方は、是非ご覧ください。

多くの解説記事が見落としている「共通の原因」

実は、セラミックのトラブルの多くは、たった一つの原因から始まっています。

それが「歯とセラミックの適合不良(すき間)」になります。

この適合不良は、様々なトラブルを連鎖的に引き起こします。

パンパンに腫れた歯茎
大きな隙間

適合不良によってできたすき間には、毎日の歯磨きでは取り切れない汚れが少しずつ蓄積していきます。

すると歯茎に炎症が起こり、腫れや出血がみられるようになります。

さらに放置すると歯周病へ進行し、膿や口臭の原因になります。

一方で、すき間から虫歯菌も入り込み、二次虫歯を起こすことで歯とセラミックの境目が黒く見えたり、最終的には歯そのものの寿命まで縮めてしまいます。

このように、適合不良のセラミックを入れることで、歯周組織にさまざまな問題を引き起こしますが、一般的な記事では、その大元となる原因に触れられていることは少なく、読者である患者様が、その原因の本質を見誤りやすい傾向にあります。

当院にセラミックのやり直しで、ご相談に来られる患者様の中でも、「セラミックに隙間が開いている」と言われて来られる患者様はいらっしゃいません。

皆様、「歯茎が腫れてる」「ブラッシングの時に出血する」「歯茎が黒くなってきた」などのような主訴でお越しになられます。

つまり、患者様が気付いているのは「症状」であって、「原因」ではありません。

だからこそ、「腫れだけ」「黒ずみだけ」を治療しても根本的な解決にならず、まずは適合不良の有無を確認することが最も重要です。

4つの症状に共通する根本原因は「セラミックと歯の適合不良(すき間)」

ここからは、セラミック矯正後に起こるトラブルの根本的な原因となる「セラミックと歯の適合不良(隙間)」について、より詳しく解説していきます。

セラミックと歯の適合不良

この適合不良に関しては、患者様で対処することは難しく、どちらかと言うと歯科医院側のモラルに関係するところが大きいと思います。

セラミックと歯の間に、明らかな隙間があれば、装着時に歯科医師は気づくと思いますし、それをそのまま装着すると、後に起こるトラブルは、明白です。

よって、この適合不良は、歯科医師の技術や丁寧さ、医療人としてのモラルなどが大きく影響すると言えます。

しかし、患者様からできるアプローチも全く無いわけではありません。

それは「ブラッシング」です。

ブラッシングが不足していると、汚れが溜まり、歯茎は腫れて炎症を起こします。

歯茎が腫れている状態で、セラミックの型取りを行うと、歯と歯茎の際部分が上手く型取りできずに、不鮮明な模型が出来上がることがあります。

この不鮮明な模型では、隙間が開かない適合の良いセラミックを作ることが難しくなってしまうため、なるべく歯茎が腫れていない状態を作るためにも、患者様ご自身が、ブラッシングを入念に行い、歯茎が腫れていない状態で型取りを行うことで、隙間の開きにくい適合のより良いセラミックを作ることができます。

そして、セラミックの適合不良とは、歯にフィットしていない状態、つまり隙間があることを意味します。

隙間があると、そこには汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖するスペースを与えることになるため、歯周病や虫歯を誘発することになります。

隙間が開く汚れが溜まる歯茎が腫れ・出血しやすくなる歯周病になり口臭や膿が出てくる隙間が虫歯になり黒くなる

このような、流れで隙間があることで、連鎖的にトラブルに発展していきます。

患者様が感じられる主な症状は、「歯茎が腫れてる」「ブラッシングの時に出血する」「歯茎が黒くなってきた」など、後から出てくる症状で気づくのが多いため、セラミックのトラブルの根本的な原因を理解しておくと、本当に原因を見極めてくれる歯科医院を選ぶ参考になると思います。

適合不良とは?|歯と被せ物の境目(マージン)にすき間ができている原因

適合不良とは、歯と被せ物の境目(マージン)に隙間ができている状態で、綺麗にフィットしていない状態をいいます。

マージンに隙間がある状態

このマージンの隙間(適合不良)は、型取りや製作精度、装着時の操作ミスなどで起こります。

型取りは、セラミック治療をする上で、最も重要な操作になります。ここがズレてしまうと、後に進める作業工程全てがズレることになるからです。
型取りの際は、歯のマージン部分が鮮明に見えるように精密に行う作業ですが、ここで歯茎が腫れていたりすると、マージン部分に歯茎が乗ってくることにより型取りが不鮮明になってしまいます。
また歯茎の炎症に伴い出血などもしていると、型取りの材料が、マージンを鮮明に映し出すことができず、これもまた不鮮明な原因となります。
マージンが不鮮明な模型からは、いくら歯科技工士さんが上手であっても、隙間が開いていないセラミックは完成しません。

マージンが鮮明な型取り

このようにマージンが鮮明な型取りは、歯茎の溝まで型取りの材料が入り込み、ヒダのような物ができます。

作製精度は、セラミックを作製する歯科技工士の技量のことをいいます。本来、マージンの適合精度の良いセラミックを作製しようと思うと、顕微鏡を使って作製しなければ、本当の意味で隙間が開いていないセラミックを作製することはできません。
また、顕微鏡を使ったとしても、歯科技工士の技術がなければマージンに隙間ができてしまいます。セラミックのトラブルとなる隙間は、細菌の侵入をも許さない、ミクロの精度で仕上げなければならないため、裸眼でセラミックを作ってしまうと、隙間ができ細菌の侵入を許すこととなり、虫歯になることを意味します。

装着時の操作ミスは、歯科医師のミスにより、セラミックが浮いてしまうことをいいます。
セラミックが浮いてしまうことで、本来の所定の位置までセラミックが入り込まずに、隙間ができて適合不良となります。
本来セラミックは歯に極力密着させて、フィット良く作製しますが、ここに接着剤が介在すると、装着時に圧をかけないと所定の位置まで入りません。
何らかの理由で、接着剤が固かったり、どこかで干渉したりすると、圧をかけても、所定の位置まで入りこまずに、セラミックは浮いたまま装着されてしまいます。

このように様々な理由で、隙間ができてしまうため、一つ一つの丁寧な操作が、セラミック治療には求められます。

当院では、必ずセラミック治療の全工程で、脳神経外科や心臓血管外科でも使用される拡大鏡を使用して治療を行っております。

裸眼では見えない領域で治療を行うことができ、歯の細部まで確認することができるため、隙間の開かない確実な治療を行っています。

すき間に汚れがたまり、二次的なトラブルが連鎖する事で、歯茎が黒く見える理由

適合不良により、マージンに隙間ができる事により、歯茎が黒く見えてしまうことがあります。

隙間から虫歯
金属フレームの露出

主な原因は、隙間に汚れが溜まることで起こる虫歯、もう一つは、隙間の汚れによって歯周病になることで、歯茎が痩せてしまい、メタルボンドの金属フレームが見えてしまうことが挙げられます。

今では、オールセラミックが主流となり、金属を全く使用していませんが、昔のセラミックはメタルボンドと言われる金属フレームを使用したセラミックしかなかったため、歯茎が痩せることで、金属フレームが露出し、黒く見えてしまう原因になります。

このように、隙間の汚れが原因の歯茎が黒く見える原因は一つではありません。

虫歯によって歯が黒く見えているのか、それとも歯周病によって歯茎が痩せ、金属フレームが露出しているのかで、対処法は全く異なります。

黒いだけでは済まされない|その裏で歯や骨が失われていることも

このように、マージンに隙間ができることで起こる虫歯や歯周病のトラブルは、歯の土台から侵蝕するため、症状が表面化した時には、既にかなり進行しており手遅れのケースも珍しくありません。

虫歯の原因であれば、セラミック内部で虫歯が進行することで、内部の状況がわかりにくいため、発見が遅れる傾向にあります。

特に神経が無い歯であれば痛みを伴わないため、被せ物が取れて初めて中の虫歯に気付くこともあります。被せ物が取れるまで虫歯が進行したケースでは、歯の上部は、完全に虫歯で崩壊しており、歯の根の方まで虫歯が進行していると、抜歯になってしまうこともあるため、注意が必要です。

また、歯周病が原因の場合も、歯周病は無症状で進行していくため、気付きにくい傾向にあります。歯周病は、歯を支えている歯槽骨を溶かしていく病気のため、歯がグラつき出してからでは、かなり歯周病が進行していることを意味します。またセラミック矯正などの手法でよく見られるセラミックを連結した場合は、連結することで、歯のグラつきが分かりにくくなるため、歯周病の発見が遅れてしまいやすくなります。

セラミックを連結するとグラつきは、本来少なくなりますが、連結されているセラミックが一体となってグラつき始めた時には、歯周病は重度に進行しており、抜歯になる可能性が高くなります。

なぜセラミック治療後に歯ぐきが「黒くなる」のか

ここまでは、歯とセラミックの間に隙間ができることで、虫歯や歯周病が起こり、歯茎が黒く見えるケースについてご説明してきました。

しかし、実際にはセラミック治療後に歯茎が黒く見える原因は、それだけではありません。

金属が溶け出して歯茎に色素沈着を起こしている場合もあれば、歯茎が下がることで金属フレームが露出している場合もあります。

また、金属を一切使っていないオールセラミックでも、歯周病や歯の変色によって黒く見えることもあります。

「歯茎が黒い」という見た目は同じでも、原因によって治療法は全く異なります。

ここからは、それぞれの原因について詳しくご説明していきます。

金属コア・メタルボンドからの金属イオン浸透(メタルタトゥー)

メタルタトゥー

メタルタトゥーは、被せ物のフレームや土台の金属が、腐食することで金属イオンが溶け出して、歯茎に沈着して起こります。

口腔内は、唾液などで常に湿潤状態となるため、イオン化傾向が大きい金属などを使用することで、イオンが溶出しやすくなります。

また、適合不良により、マージンに隙間が開いている場合などは、より内部に唾液が侵入しやすくなるため、メタルタトゥーができやすくなります。

被せ物の金属フチが露出する(ブラックマージン)

ブラックマージン

ブラックマージンは、メタルボンドなど金属フレームを使用した被せ物を使用した際に、何らかの理由で金属フレームが露出することで、マージン付近に黒い線が見える事で起こります。

セラミック治療直後は、ブラックマージンが見えていなくても、歯周病や、日々のブラッシングの刺激により、歯茎が退縮する事で金属フレームが露出して審美性を損なってしまいます。

適合不良による歯周病の進行と歯ぐきの退縮による黒ずみ

被せ物に金属を使用していなくても、歯周病により歯茎が黒く見えてしまうこともあります。

一般的には、健康的な歯茎は薄いピンク色をしていて、血色がいい状態にありますが、歯周病になると、血色の悪い薄黒い色に変化します。

血色の悪い黒い歯茎
健康的なピンクの歯茎

このように、金属を使用していなくても、適合不良により隙間に汚れが溜まり、歯周病が進行する事で、歯茎は、薄黒く、血色の悪い紫がかった色味になってしまい、審美性を損なってしまいます。

歯茎が黒いから、金属のせいという訳ではなく、様々な理由で歯茎は黒く見えてしまうことがあります。

「金属を使っていないのに黒い」ケースもある|土台の変色・歯根の露出

歯茎の色味に問題がなくても、歯自体が黒い状態だと、結果として歯茎が黒く見えてしまうこともあります。

本来歯茎の厚みは1mm程度と非常に薄く、内部の色を透過するため、歯自体が黒い場合は、歯茎が黒く見えてしまいます。

歯自体が黒くなる原因には、神経を抜いた歯(失活歯)で、なおかつメタルコアと呼ばれる金属の土台を使用している場合に起こります。

歯茎が黒い
金属の土台で歯が変色

このように、金属の土台が腐食する事で、溶け出した金属イオンが歯に沈着し、歯自体が黒くなってしまいます。この方は、歯茎の色自体は、綺麗な薄いピンク色をしていますが、内部にある歯の根自体が黒いため、歯茎を透過して、歯茎が黒く見えてしまっています。

この金属イオンの沈着した歯の色味は、除去することができないため、可能な限り目立たないように治療する事で対応します。

よって原因を見極めずに、素材だけ替えても改善しないこともあるため、正しく診断を行い、原因にあった治療方法を選択することが重要です。

見分け方|「金属由来」か「歯周病由来」かで対処が変わる

ここまで、歯茎が黒く見える様々な原因をお伝えしましたが、まずは患者様ご自身で、簡易的に見極めるポイントをお伝えします。

まずは、「金属由来」か「歯周病由来」かで大きく分けることができます。

金属由来の場合であれば、ご自身が過去に入れた、セラミックが金属を使用しているか、土台に金属を使用しているかによります。

ご自身でどのような材料で治療されているか分からない場合には、歯科医院でレントゲンを撮影すると、素材などによって写り方が変わるため、判断のポイントとなります。

また金属由来の場合は、入れられている補綴物の形にそって、黒くなるため、線状に黒く見えるのも特徴です。

歯周病由来の場合は、歯茎全体の炎症により、血色が悪くなることで黒くなるので、炎症のあるエリア一帯が黒く見える傾向になります。

また歯周病は、炎症を起こしている事で、それに伴う症状(腫れや出血、ブラッシング時の痛み、臭い)なども一つの見極めるポイントになります。

最終的には、歯科医院で診断を行うことが大切ですが、ご自身で何が原因で、歯茎が黒くなっているかを、ある程度判断する事で、再治療の際の歯科医院選びにも影響すると思いますので、是非参考にしてください。

>>歯周病のサインを自分で見分ける方法についてはこちら

セラミック治療をした歯ぐきの「腫れ・出血・痛み・におい」が起きる理由

セラミック治療をした後に起こるトラブルの「腫れ・出血・痛み・におい」は、汚れが溜まり、歯茎に炎症が起こる事で発現します。

主には、歯周病という状態になります。

セラミックが原因で歯周病に

この患者様は、名古屋からご相談に来られ、過去に受けたセラミック矯正治療で、前歯4本をセラミックにしたけれど、「ブラッシング時に出血し、臭いも気になり、歯茎が腫れている」とご相談に来られました。

診断の結果、セラミックと歯の間に大きな隙間があり、汚れが大量に溜まっている状態で、歯周病の状態でした。

セラミックと歯の適合不良

当院で歯周病の治療を行い、歯茎の腫れを引かせた状態のお写真です。

歯周病治療前は、歯茎は腫れている事で、セラミックと歯の間の隙間は隠れている状態でしたが、歯茎の腫れが治ることで、この大きな隙間がわかるようになりました。

裸眼で確認しても分かるぐらい、大きな隙間があるのが分かると思います。

毎日、患者様ご自身で、この大きな隙間の汚れをブラッシングで落とし切るのは、困難を極めます。

このような大きな隙間が開いているセラミックを入れることは、将来的に歯周病になることを意味します。

適合の良いセラミック治療

歯茎の炎症が引いた後、当院で、適合の良い、隙間が開かないセラミック治療を行いました。

治療後は、歯周病が改善する事で、ブラッシング時の出血や口臭もなくなり、歯茎の色味も血色の良い、薄いピンク色になりました。

最初にもお話しましたが、適合の良いセラミックを入れるかどうかは、患者様はどうすることもできません。そのほとんどが歯科医師の技術や医療人としてのモラルに影響します。

この患者様ほど大きな隙間が開いていれば、装着時に歯科医師は「隙間がある」ことは、認識していた可能性が高いと思います。

いかに患者様を想い、その治療に歯科医師が責任をもち、誠意ある治療を行うかが、実は一番大切なことなのかもしれません。

なぜ被せ物の周囲だけ炎症が起こりやすいのか

被せ物を入れた歯は、「治療したからもう安心」と思われる方が少なくありません。

実際、私も診療をしていると、「治療した歯だから虫歯や歯周病にはなりにくいと思っていました」と話される患者様が非常に多くいらっしゃいます。

実は、一番頑丈で長持ちして、汚れが溜まりにくいのは天然歯になります。

セラミックなど、天然の歯に人工物を入れるということは、その人工物との境目を作ることになるので、少なからず虫歯菌の入り込むリスクに繋がります。

その点、人工物が入っていない天然歯は、境目が一切なく、歯の表面がエナメル質でコーティングされているので、虫歯菌が入り込みにくい状況となります。

またセラミックの形態も、汚れの溜まりやすさ、ブラッシングのしやすさに影響を与えます。

本来の天然歯の形態が、一番汚れも溜まりにくく、ブラッシングしやすい形態になるので、理想的な形と言えます。

しかし、セラミックが本来の天然歯の形態から大きく外れるような形になれば、汚れが溜まりやすく虫歯や歯周病にかかりやすい環境になってしまいます。

このように被せ物を入れるというのは、虫歯や歯周病のリスクを悪化させるかもしれない可能性を持ち合わせていることを十分認識しなければなりません。

そのため、被せ物の治療では、歯との境目に隙間を作らず、天然歯に近い形態で汚れが停滞しにくい状態に仕上げることが、歯ぐきの健康を長く維持するために非常に重要になります。

血が出る・膿が出る・においがするのは炎症が進んだサイン

歯茎から血が出たり、膿が出たり、口臭が気になるようになった場合は、歯周病がある程度進行しているサインかもしれません。

歯茎に炎症が起こると、毛細血管が拡張し、わずかな刺激でも出血しやすくなります。

そのため、歯ブラシやフロスをした時に血が付くようになった場合は、歯茎に炎症が起きている可能性を疑うことが大切です。

さらに歯周病が進行し、歯周病菌が増殖すると、歯ぐきの中で膿が作られることがあります。

また、その膿や細菌が出すガスによって、独特の口臭を感じるようになることも少なくありません。

当院の患者様の中で、「出血はあるけれど痛くないから様子を見ていました」という方が非常に多いということです。

しかし、歯周病は痛みがなく進行する病気です。痛みがないから大丈夫とは限らず、出血や臭いは、歯ぐきから出されている重要なサインだと考えていただきたいと思います。

口臭については、歯周病以外にも様々な原因がありますので、詳しくは下記の記事でもご説明しています。

>>セラミックを入れた歯が臭い原因について詳しくはこちら

噛むと痛い・しみるは、適合不良や二次むし歯のサインのことも

被せ物に隙間がある(適合不良)ことで、歯ぐきの炎症や歯周病など、さまざまな症状が現れることをお伝えしてきましたが、さらに内部で二次むし歯が進行すると、「噛むと痛い」「しみる」といった症状が現れることがあります。

一方で、このような症状はセラミック治療直後に一時的に起こる場合と、時間が経ってから現れる注意が必要な場合があります。

治療直後の痛みやしみる症状は、セラミックを装着する際に歯の表面へさまざまな化学的処理を行うため、一時的に歯が過敏な状態となって起こることがあります。

また、噛み合わせがわずかに高い場合にも違和感や痛みを感じることがあります。これらは調整や経過とともに改善し、多くは数日〜1週間程度で徐々に落ち着いてきます。

しかし、治療からしばらく経ってから痛みやしみる症状が出てきた場合や、一度落ち着いた症状が再び現れた場合には注意が必要です。

適合不良によってできた隙間から虫歯菌が侵入すると、歯とセラミックを接着している接着剤や歯質が少しずつ破壊されていきます。

すると被せ物がわずかに緩み、内部へ唾液が入り込むようになります。

歯の神経が残っている場合は、噛んだ時に被せ物がわずかに沈み込み、そのたびに内部の唾液が動くことで神経が刺激され、「噛むと痛い」「しみる」といった症状が現れることがあります。

このような症状が数週間以上続く場合や、徐々に悪化している場合は、適合不良や二次むし歯、噛み合わせなどに問題が起きている可能性があります。

「そのうち治るだろう」と放置すると、虫歯がさらに進行し、被せ物の作り直しや神経の治療が必要になることもありますので、できるだけ早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

放置するとどうなる?|骨の吸収・被せ物の脱離・作り直しの大がかり化

セラミックと歯の間にできた適合不良(すき間)は、時間が経っても自然に改善することはありません。むしろ放置することで、歯周病や二次虫歯が少しずつ進行し、治療は年々大がかりになっていきます。

まず歯周病の観点では、隙間に溜まった細菌によって歯茎に炎症が起こり、腫れや出血、口臭などの症状が現れます。さらに進行すると、歯茎の中から膿が出るようになります。
膿が出ているということは、歯周病菌によって歯を支える組織が破壊されているサインです。
歯を支える歯槽骨は少しずつ吸収され、骨が溶けていきます。骨の吸収が進むと歯はグラつき始め、最終的には抜歯が必要になることもあります。

一方、虫歯の観点では、適合不良の隙間から虫歯菌が侵入し、セラミックの内部で二次虫歯が進行していきます。初期には「噛むと痛い」「しみる」といった症状が現れることがありますが、虫歯が神経まで達すると、一時的に強い痛みが出たあと、徐々に痛みが少なくなることがあります。
「痛みがなくなったから治った」と思われる方もいらっしゃいますが、実際には神経が失活(神経が死んでしまうこと)している可能性があり、むしろ注意が必要な状態です。

さらに虫歯が進行すると、被せ物を支えている歯そのものが大きく失われます。するとセラミックを支えられなくなり、被せ物が外れたり、割れたりする原因になります。

ここまで進行すると、被せ物を作り直すだけでは済まず、神経の治療や土台のやり直し、場合によっては抜歯やインプラントなど、治療は大きくなってしまいます。

適合不良によるトラブルは、早い段階で原因を見つけて対処するほど、歯を残せる可能性が高くなり、再治療も最小限で済みます。

「素材を替えれば解決」ではありません|再発を防ぐための正しい考え方

これまでお話したように、適合不良の原因のほとんどは、患者様サイドから対応することは難しく、どちらかというと歯科医師の技量や丁寧さ、医療人としてのモラルというところが大きな要因を占める話をさせていただきました。

昨今ある多くの記事では、「セラミックが良い」「メタルフリーに替えましょう」など、素材を替えれば「適合が良くなる」「マージンの隙間がなくなる」のような記事を目にします。

素材を替えたからと言って、適合が良くなる訳ではありません。

歯をどのように削り、どのように型取りをし、歯周病や炎症のコントロール、セラミックを作製する歯科技工士がどこまで、精度にこだわって作製するかで、適合精度は変わってきます。

極端な話、銀歯であっても歯科医師や歯科技工士が最善を尽くした治療を行えば、隙間の開かない適合の良い被せ物を作ることだってできます。

ただ保険の制度上、銀歯にそこまでの手間暇をかけることが、保険請求上できないため、結果的に精度の高くない、適合不良の銀歯が出来上がってしまうのが実情です。

治療の失敗の原因を正しく把握し、どの歯科医院でやり変えるか、どう適合にこだわった治療を行っているかの見極めが重要です。

ここまでご説明してきたように、セラミック治療後に起こる「歯ぐきが黒い」「腫れる」「出血する」「痛い」といったトラブルは、多くの場合、歯と被せ物の適合不良(すき間)が根本的な原因となっています。

しかし実際には、多くのホームページや解説記事では、「オールセラミックに替えましょう」「メタルフリーにしましょう」と、素材を変更することが解決策として紹介されています。

もちろん、金属由来の黒ずみ(メタルタトゥーやブラックマージン)のように、素材を変更することが有効なケースもあります。

しかし、適合不良という原因がそのままであれば、どれほど高価なオールセラミックやジルコニアを使用しても、再び同じ問題が起こる可能性があります。

本当に重要なのは、「どんな素材を選ぶか」ではなく、なぜ適合不良が起きたのかを見極めることです。

歯をどのように削るのか、歯ぐきの炎症を十分に改善してから型取りを行っているのか、マージンをどこまで正確に再現できているのか、そして歯科技工士がどこまで適合精度にこだわって製作しているのか。

こうした一つひとつの工程の積み重ねによって、被せ物の精度は大きく変わります。

極端な言い方をすれば、銀歯であっても、歯科医師と歯科技工士が十分な時間と精度を追求して製作すれば、適合性の高い被せ物を作ることは可能です。

一方で、素材だけを高価なセラミックに変更しても、型取りや製作、装着までの工程に問題があれば、適合不良は繰り返されてしまいます。

つまり、治療が失敗した原因は「セラミック」という素材そのものではなく、「どのように治療が行われたか」にあります。

だからこそ、再治療で本当に大切なのは、単に新しいセラミックへ交換することではなく、なぜ今回のトラブルが起きたのかを把握し、その原因を一つずつ改善したうえで治療をやり直すことです。

セラミック治療は、一度やり直すたびに天然歯への負担は大きくなります。

同じ失敗を繰り返さないためにも、「どの素材を使うか」だけではなく、どのような考え方で診査・診断を行い、適合精度にこだわって治療を進めている歯科医院なのかという視点で医院を選ぶことが、長期的に歯を守るためには何より重要だと思います。

オールセラミック・ジルコニアに替えるだけでは不十分な理由

隙間が残っていれば、そこに再び汚れや細菌が停滞し、歯茎の炎症や歯周病が進行することで、歯茎の退縮や黒ずみ、出血などが再発する可能性があります。

そして、いくらセラミックやジルコニアなどの良い素材を使っても、歯科医院側が行う、型取りや製作、装着までの工程に問題があれば適合精度が不十分な物ができてしまうことをお話させて頂きました。

つまり、重要なのは「どの素材を選ぶか」だけではなく、「なぜ今回のトラブルが起きたのか」を正しく診断し、その原因を改善したうえで再治療を行うことです。

本当に見極めるべきは「なぜ適合不良が起きたのか」

ここまでお話してきたように、セラミックと歯の間にすき間(適合不良)ができると、歯茎の腫れや出血、黒ずみ、二次むし歯など、さまざまなトラブルにつながります。

適合不良

では、この適合不良は、なぜ起きてしまうのでしょうか。

実は、一つの原因だけで起こるものではありません。

歯を削るところから、型取り、仮歯、歯科技工士による製作、そして最終的な装着まで、それぞれの工程をどれだけ丁寧に行えるかによって、セラミックの適合精度は大きく左右されます。

  1. 歯の形を正確に整えられているか

    適合の良いセラミックを作るためには、まず歯の削り方が重要です。歯の表面が粗く、デコボコして研磨が不十分な状態では、型取りの精度が低下し、正確な模型を作ることができません。模型がデコボコしていると適合不良の原因になります。歯を滑らかに整え、研磨されたスムースな面に仕上げることで、精密な型取りが可能になります。

  2. マージン(境目)が明瞭に設計されているか

    セラミックと歯が接する境目(マージン)は、適合精度を左右する非常に重要な部分です。マージンがデコボコしていたり、不明瞭だったりすると、セラミックの縁も正確に再現できず、浮きやすくなったり、すき間ができたりする原因になります。審美性だけではなく、なめらかで一本の線として明瞭なマージンを作ることが大切です。


  3. 仮歯の段階で歯ぐきの状態を整えられているか

    仮歯は、見た目を保つためだけのものではありません。仮歯がすぐ外れたりする場合は、適合が悪く、すき間が開いている可能性があります。その適合が悪い仮歯の場合、歯茎へ炎症が起こることがあります。歯茎が腫れたり出血したりすると、歯と歯茎の境目を正確に型取りできなくなり、結果として適合不良につながる可能性があります。

  4. 歯科技工士が適合精度にこだわって製作しているか

    型取りがどれだけ精密でも、最終的なセラミックを製作する歯科技工士の技術が伴わなければ、高い適合精度は得られません。顕微鏡などの拡大視野を用いながら、一つひとつの工程を丁寧に行う技工士との連携も、精度を左右する重要な要素です。

  5. セラミックを正しく装着できているか

    完成したセラミックの適合が良くても、装着時の操作によって適合不良になることがあります。セラミックは接着剤を介して装着しますが、接着剤の性状や装着手順によっては、本来の位置まで入りきらず、わずかに浮いた状態で固まってしまうことがあります。そのため、装着時の手順や時間管理も、適合精度を左右する大切な工程です。当院では、セラミックの装着方法についても事前に何度もシミュレーションを行い、できる限りエラーが起こらないよう取り組んでいます。

このように、適合不良は一つの原因ではなく、治療のさまざまな工程が積み重なって起こります。

そのため、再治療では単に新しいセラミックへ交換するのではなく、「なぜ適合不良が起きたのか」を一つひとつ分析し、その原因を改善したうえで治療を行うことが、再発を防ぐために最も重要です。

適合精度を高める工程|拡大視野・精密印象・マージン設計・仮歯

適合精度の高いセラミックは、一つの工程だけで完成するものではありません。

歯の調整から、マージンの設計、型取り、仮歯による歯茎のコントロール、歯科技工士による製作、そして最終的な装着まで、そのすべての工程を丁寧に積み重ねることで、初めて高い適合精度が得られます。

当院では、その一つひとつの工程の精度を高めるために、セラミック治療の全工程を拡大視野で行っています。

拡大鏡を使用したセラミック治療

使用している拡大鏡は、脳神経外科や心臓血管外科でも使用される Carl Zeiss社(Germany)製 の高倍率拡大鏡です。肉眼では確認が難しい細かな凹凸やマージンの状態まで鮮明に確認できるため、歯の調整から仮歯の作製、型取り、セラミックの装着まで、一貫して高い精度で治療を行うことができます。

特に歯の調整では、タービンと呼ばれる高速回転器具にダイヤモンド粒子の付いた切削バーを装着して歯を削ります。

しかし、通常の切削バーだけでは歯の表面がデコボコして粗くなりやすく、そのままでは型取りの精度にも影響することがあります。

そのため当院では、歯を削った後に、粒子の細かい仕上げ用バーを使用し、必ず表面を丁寧に研磨しています。歯の表面を滑らかに整えることで、型取りの精度が向上し、より適合性の高いセラミック製作につながります。

また、型取りの前には、仮歯の適合や歯茎の状態を十分に確認し、炎症や出血のない状態で精密印象を行うことを大切にしています。

歯茎が健康な状態であるほど、マージンを鮮明に再現できるため、セラミックの適合精度も高くなります。

完成したセラミックは、顕微鏡を用いて精密な製作を行う歯科技工士と連携し、一つひとつ丁寧に仕上げています。

そして最後の装着時も、適合状態を拡大視野で確認しながら慎重に装着を行い、本来の位置へ正確に適合させることを徹底しています。

このように当院では、一つの工程だけにこだわるのではなく、歯の調整から型取り、仮歯、技工、装着まで、すべての工程で精度を追求することが、長期的にトラブルの少ないセラミック治療につながると考えています。

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やり直し(再治療)を検討している方へ|診査・診断から始める

セラミック治療後に「歯ぐきが黒い」「腫れる」「血が出る」「痛い」といった症状が出ている場合は、単に被せ物を新しく作り直せば解決するとは限りません。

再発を防ぐためには、まず「なぜこのトラブルが起きたのか」を正確に診査・診断し、原因を明らかにすることが最も重要です。

当院には、他院で治療を受けられたセラミックのやり直しをご希望される患者様が数多く来院されています。

当院では、適合不良や二次虫歯、歯周病、歯茎の状態などを総合的に診断し、その原因に合わせた再治療をご提案しています。

一度やり直したセラミックを、再びやり直すことになれば、そのたびに天然歯への負担は大きくなります。同じ失敗を繰り返さないためにも、原因を見極めたうえで再治療を行うことが大切です。

症例

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セラミックの歯ぐきトラブルを根本から治す治療の選択肢

セラミック治療後に「歯茎が黒い」「腫れる」「血が出る」「痛い」といったトラブルが起きている場合は、単にセラミックを新しく作り直せば改善するわけではありません。

まずは炎症や歯周病を改善し、必要に応じて歯茎の外科処置を行ったうえで、健康な歯ぐきの状態で適合精度の高いセラミックを作り直すことが重要です。

また、黒ずみの原因が金属由来である場合には、メタルフリー化などの治療を組み合わせます。

このように、原因に応じて複数の治療を組み合わせながら進めることで、再発しにくい健康な歯茎を目指します。

治療の流れは、次のようになります。

  1. 適合不良のセラミックを外し、適合の良い仮歯を作製する

    まずは、適合不良を起こしているセラミックを外し、適合の良い仮歯を作製します。当院では、仮歯の段階から歯との境目に隙間ができないよう精密に作製しているため、汚れが溜まりにくくなり、歯茎の炎症が改善しやすい環境をつくることができます。


  2. 炎症をコントロールしながら、内部の治療を行う

    適合の良い仮歯で歯茎の炎症をコントロールしながら、必要に応じて二次虫歯の治療や土台(コア)のやり直しを行います。歯茎の健康を回復させることが、その後の精度の高いセラミック治療につながります。

  3. 必要に応じて歯ぐきの外科的処置を行う

    ある程度炎症が落ち着いてきたら、必要に応じて歯茎の外科的処置を行います。歯茎のラインや左右差を整えたい場合には歯冠長延長術を行い、歯周病が重度に進行している場合には、歯肉剥離掻爬術によって歯周ポケット内の歯周病菌を徹底的に除去します。

  4. 健康な歯ぐきの状態でセラミックを作製する

    最後に、炎症がなく健康な歯茎の状態になってから精密な型取りを行い、新しいセラミックを作製します。歯茎に炎症が残ったままでは、歯と歯茎の境目を正確に型取りすることができず、再び適合不良の原因になる可能性があります。そのため、歯茎が健康な状態になってからセラミックを作製することが、長期的にトラブルを防ぐためには非常に重要です。

まず炎症・歯周病をコントロールする(歯周基本治療)

セラミック治療の歯茎トラブル

セラミックが原因で、歯茎のトラブルになっている場合は、まずはその根本の原因であるセラミックを外さなければ、炎症などトラブルは良くなりません。

当院では、仮歯の段階から歯との境目に隙間ができないよう精密に作製しているため、汚れが停滞しにくくなり、歯茎の炎症が改善しやすい環境を作ることができます

また、セラミックと歯の隙間だけでなく、セラミックが連結されていたり、セラミック矯正によって本来の歯並びから大きく形態が変えられていたりすると、歯ブラシや歯間ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすい形になっていることがあります。

そのため、仮歯の段階で形態も修正し、清掃しやすい環境へ整えていきます。

歯科治療で一番最初に行う治療は、細菌の数を減らすことから始まります。

歯周病があれば、歯周病治療を行い、歯周病菌の数を減らし、虫歯があれば、虫歯治療を行い、虫歯菌の数を減らしていきます。

上記症例写真では、まずは炎症の原因となる適合不良のセラミックを外して、歯茎の炎症を引かせつつ、土台の虫歯治療を行っていきました。

適合精度を高めて作り直す(土台・被せ物の再製作)

土台の虫歯・金属の土台
虫歯治療と土台のやり替え

ある程度炎症が落ち着いてきたら、内部の虫歯治療と土台(コア)のやり変えを行っていきます。

被せ物を外した直後の土台は、セラミックの隙間から虫歯になっており、内部の土台まで真っ黒の状態でした。

また金属を使用した土台を使用されていたため、金属イオンが滲み出ることで、歯の根が黒くなる原因となるため、審美性の観点から、金属を使わないファイバーポストに置き換えを行っております。

このように歯の形をきちんと整えることで、適合の良いセラミックを作製することができます。

>>歯茎が黒いセラミッククラウンをやり直した症例はこちら

必要に応じた歯ぐきのライン・形態を整える処置(歯冠長延長術など)

歯茎の炎症が抑えられ、土台のやり変えが完了すれば、歯茎の形成外科手術を行うことがあります。

歯茎の高さが不揃いで、審美性が悪くなるのであれば、歯冠長延長術を行い、歯周病が重度に進行した場合は、歯肉剥離掻爬術と言われる、外科的に歯周病菌を徹底的に除去する手術を行うことがあります。

歯冠長延長術
歯肉剥離搔爬術

この症例では、歯茎の高さが不揃いで、このままセラミックを作製すると高い審美性は得られないと判断したため、歯冠長延長術を行っております。また同時に、歯周病が重度に進行していたこともあり、歯周基本治療では、完全に歯周病が完治しなかったため、歯肉剥離掻爬術も同時に行い、歯周病菌の徹底的な除去も行っております。

こうすることで、より審美性の高い、適合の良いセラミック治療を行うことができるようになります。

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歯周病や虫歯が無い状態でのセラミック治療

最後は、歯周病や虫歯治療が完了し、歯茎を整える治療が完了すれば、いよいよ最終的なセラミックの型取りを行っていきます。

虫歯・歯周病がない状態
適合の良いセラミック

上記写真のように、最終のセラミックを型取りする段階では、術前に見られた、炎症のある血色の悪いブヨブヨした歯茎ではなく、綺麗に引き締まった健康的なピンク色で、一切歯茎に炎症がない状態で型取りを行うことが重要です。

また、歯の土台の状態は、滑沢に研磨された状態で、歯の表面に微細な凹凸もない状態なので、型取りの精度が向上し、精度の高いセラミック治療を行うことができるようになります。

まとめ:セラミック後の歯茎の「黒い・腫れる・血が出る・痛い」は適合不良を見極めて根本から治す

セラミック治療後に起こる「歯茎が黒い」「腫れる」「血が出る」「痛い」といった症状は、それぞれ別々のトラブルのように見えます。

しかし実際には、その多くが歯とセラミックの適合不良(すき間)をきっかけとして、歯周病や二次虫歯が連鎖的に進行することで起こっています。

そのため、単にオールセラミックやジルコニアなど別の素材へ交換するだけでは、根本的な原因が改善されていなければ、同じトラブルを繰り返してしまう可能性があります。

大切なのは、なぜその症状が起きたのかを正しく診断し、歯周病や二次むし歯を治療したうえで、適合精度の高いセラミックへ作り直すことです。

もし現在、セラミックを入れた歯の周囲に「黒い」「腫れる」「血が出る」「痛い」「においが気になる」といった症状がある方や、過去のセラミック治療のやり直しをご検討されている方は、まずはその原因を正しく見極めることが大切です。

当院では、適合不良や歯周病、二次虫歯などを総合的に診査・診断し、一人ひとりの原因に合わせた治療をご提案しております。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

監修者情報

松井泰隆 YASU DENTAL CLINIC 院長

松井泰隆 YASU DENTAL CLINIC 院長

東京歯科大学を卒業後、京都大学医学部附属病院で口腔外科を学び、その後審美歯科やインプラント治療を行う医療法人に勤務し分院長などを歴任。

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