コラム一覧
なぜセラミックを勧める歯医者は信用できないのか?

硬いものを噛んで歯が欠けてしまったり、虫歯治療の後に詰め物が必要になったりと、多くの方が一生で一度は歯の被せ物や詰め物が必要になります。また近年では、健康な前歯を削って被せ物をすることで、審美性を高める治療を受けられる方も多くなっています。このような被せ物や詰め物の治療の際には、以下のような疑問を抱く方が多いのではないでしょうか。

『歯の詰め物って銀歯でも十分じゃないですか?』
『保険の被せ物の方が安いし、あえて自費のセラミックにする必要ってあるの?』
『セラミックを勧めてくる歯医者はお金儲けのため?信用して大丈夫なの?』

歯の詰め物や被せ物は多くの場合、保険診療でも自費診療でも治療が行えます。そのため患者様にとっては、結局どちらを選べばいいのかわからなかったり、自費のセラミックなどを勧められると、歯医者がお金儲けのために勧めているんじゃないのか?と不安になってしまうこともあるかと思います。

そこでこのページでは、歯医者がなぜ保険の素材ではなく自費のセラミックを勧めるのか、歯科医の目線で解説させていただきます。当院はセラミック矯正や他院のセラミック矯正のリカバリー治療などを専門的に行っており、セラミックの知識、技術共に精通していると自負しております。ぜひこのページをご覧いただき、なぜ歯医者がセラミックを勧めるのかご理解いただくことで、治療を選択する際のご判断の一助になれば幸いです。

歯医者がセラミックを勧める理由

歯医者がセラミックを勧める理由

このページをご覧の方は、セラミックにどのようなイメージをお持ちでしょうか?

『自費で高額になる』『見た目は綺麗なイメージがある』『歯医者のお金儲けじゃないの?』色々な印象をお持ちの方がいらっしゃるかと思います。確かに、セラミックは自費診療で使用される素材のため、保険診療の素材と比べると治療費用が高額になってしまいます。

もちろん費用が高額なだけで、内容が保険診療の素材と大差ないのであれば、『歯医者のお金儲け』だと捉えられても仕方ありません。ですがセラミックには、保険診療で使用される素材と比較した際に、明確なメリットが複数ございます。そのため歯科医としては、より良い治療をお望みの患者様には、セラミックでの治療が適していると思っております。

以下では、保険診療で使用されることの多いレジン(歯科用プラスチック)と銀歯を、それぞれセラミックと比較し、『なぜ歯医者はセラミックを勧めるのか』わかりやすくお伝え致します。

セラミックとレジン(歯科用プラスチック)の違い

セラミックとレジン(歯科用プラスチック)の違い

レジンと呼ばれる歯科用プラスチックは、保険診療の被せ物や詰め物でよく使用される素材です。銀歯が一目でわかる目立つ見た目なのに対して、レジンは天然の歯にもある程度馴染んで見えるため、使用されることが多い素材です。

しかしレジン(プラスチック)は経年劣化しやすく、着色や汚れが溜まりやすいという特性があります。対してセラミックは、着色することがほとんどなく、汚れも付着しにくいという特徴があります。

レジンとセラミックの特性は、ご自宅の食器で想像していただくと、イメージがしやすいかと思います。プラスチックの食器(レジン)にカレーのような着色しやすいものを入れると、色が移ってなかなか落ちません。また、長く使い続けると徐々に色褪せたり、熱によって変形したりします。洗う際にも油汚れが落ちにくかったり、汚れが付きやすいのがわかるかと思います。

対してセラミックは、陶器などに使用される素材です。ツルツルとした陶器は着色しにくく、長期間使っても色褪せや変形がほとんどありません。汚れも簡単に落とすことができます。

汚れが落ちやすいセラミックは虫歯の原因になりにくく、また経年劣化することもほとんどないので、レジンよりも優れた素材だと考えられています。

セラミックと銀歯の違い

セラミックと銀歯の違い

銀歯も保険診療で使用されることが非常に多い素材です。銀歯は強度が高く、奥歯など噛み合わせる力が強い箇所で使用されることがほとんどです。目立つ見た目をしているため、前歯などに使用されることはありません。

銀歯の最大の問題は、虫歯になりやすいという点です。銀歯は歯との適合性があまり高くなく、隙間が生まれやすいという特徴があります。またレジンと比べると強度の高い素材ですが、金属なので強い力がかかると歪んでしまいます。このようにして銀歯と歯の間に生まれた隙間の中で、細菌が増殖し、虫歯の原因となります。

セラミックは非常に歯との適合性が高く、変形することもほとんどないため、歯との間の隙間を最小限にすることができます。もちろん虫歯になるリスクを完全になくすことはできませんが、銀歯と比較して非常に虫歯になりにくい素材です。

自費診療は患者様一人一人により多くの時間を使える

自費診療は患者様一人一人により多くの時間を使える

保険診療で使用されることの多いレジン・銀歯をセラミックと比較しましたが、これら素材の問題以外にも、セラミックをお勧めする理由があります。保険診療は患者様一人一人に割り当てられる時間に限りがあるのに対して、自費診療なら時間的な制限がないという点で、当院ではセラミック治療の方がより丁寧な治療を提供できると考えております。

保険診療は治療に対して点数などが決まっており、また治療に使用できる素材などにも制限があるため、患者様にとって最良な治療を行うことができません。またじっくりと話を聞いて治療を行うような時間の使い方も難しいのが実情です。

対して自費診療では、治療に制限がないため、時間も素材も設備も自由に使用することができます。

  • 患者様のご要望やお悩みを聞くために多くの時間がある
  • 歯にぴったり適合する被せ物を作るために優秀な技工士に依頼する
  • 審美性をより高めるための調整を複数回行う

こういったことは、自費診療でしか実現できません。保険診療よりも費用がかかるというのはデメリットに感じるかもしれませんが、歯科医院が患者様のために使える時間は大きくなるため、より高いレベルで患者様も満足できる治療が受けられるようになります。

実際に当院でも、セラミック治療をご希望の患者様には初回無料でカウンセリングを行っており、こういった取り組みも自費診療だからこそできることです。

セラミックのメリット

セラミックのメリット

保険診療で使用されるレジンや銀歯と比べて、セラミックを勧める歯医者が多い理由について、ご理解いただけたかと思います。ここで改めて、セラミックのメリットについて、簡単にご紹介します。

  1. 金属アレルギーの心配がない:
    セラミックは金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。
  2. 歯茎の変色を起こさない:
    金属製の被せ物や詰め物を装着すると、金属イオンが溶け出して歯肉を黒っぽく変色させてしまうことがあります(メタルタトゥー)。セラミックは金属を使用していないため、メタルタトゥーの心配がありません。
  3. 審美性に優れる:
    セラミックは色や形まで自由に製作することができるため、天然歯のような自然な見た目を実現できます。
  4. 虫歯になりにくい:
    セラミックは汚れが付着しにくく、歯との隙間も出来にくいので、保険診療の材料と比べて虫歯のリスクを下げられます。
  5. 変色・変質しにくい
    セラミックは経年劣化による変色や変質を起こしにくく、適切なセルフケアとメンテナンスを行えば長期間使用することができます。

むやみにセラミックを勧める歯医者には要注意

むやみにセラミックを勧める歯医者には要注意

ここまでご覧下さった方には、セラミックのメリットも伝わり、セラミックへの悪い印象はほとんど無くなったのではないでしょうか。ですが『勧められるがままセラミックにするべき』なのかというと、そうとも言えません。

実はセラミックをしなくても良い歯も、セラミックで治療するように提案してしまう歯科医も少なからず存在します。セラミックは自費診療のため、歯科医院にとって利益の大きな治療であることは否定できません。そのため、患者様の要望や症例との適合を無視して、むやみやたらにセラミックを勧めてしまう歯科医もいると聞きます。

セラミックは優れた素材で適用を守れば多くの症例に対応することが可能です。そのため当院でもセラミックをお勧めする機会が多いですが、セラミックをお勧めするべきではないと判断をする場合もございます。そのような判断を行わずに、どんな患者様にでもセラミックを勧めてしまう歯科医には、注意が必要です。

綺麗で健康な天然歯をセラミックにする必要はありません

綺麗で健康な天然歯をセラミックにする必要はありません

当院は他院のセラミック矯正のリカバリー治療を専門的に扱っているため、他院の治療で失敗したと感じている方、後悔している方がご来院くださることがよくあります。そのような患者様からは『本来はセラミックにしないで良い綺麗な天然歯をセラミックにされてしまった』というようなお話を伺うことが多いです。

セラミック矯正は、セラミックの被せ物を使用して、歯の審美性や機能性を回復する治療です。

セラミック矯正で審美性を確保するためには、口を開けた際に見える範囲の前歯6本〜8本のお色や形に統一感を持たせる必要がありますが、それには審美治療の豊富な知識と経験、審美的なセンスが必要になります。

当院のようなセラミック矯正の経験が豊富な医院では、健康な天然歯のお色や形に合わせてセラミックの被せ物を製作し、天然歯とセラミックが並んでいても全く違和感のない統一感のある仕上がりを実現できます。しかし経験の少ない医院では、天然歯と調和するセラミックを製作するのが難しく、本来治療が必要ない歯もすべてセラミックで統一してしまうという方法を取ることがあります。

健康な歯をセラミックにしてしまうリスク

被せ物の治療は、一度行うと治療前の状態には絶対に戻せません。そのため特殊な症例や何か理由がある場合を除いて、当院では健康な天然の歯までセラミックにするのを勧めることはありません。

健康な歯を削ると、歯の寿命が縮まってしまいます。1本の歯が治療に耐えられる回数は5回と言われており、特に被せ物は歯を大きく削ってしまうため、歯の寿命を縮める原因になります。当院では最新の設備と経験豊富な院長の技術で、歯を削る量を最小限にすることで、歯の寿命をなるべく短くしない工夫をしています。それでも健康で治療を行っていない歯と比べると、寿命は短くなる傾向にあります。

また、健康な歯でも削ってセラミックにするのを勧める歯科医は、審美治療や補綴治療の技術力があまりない可能性があります。技術力があればわざわざ健康な歯を削ってセラミックにしなくても、十分に天然歯と人工歯の見た目を調和させることができます。つまり無闇に多くの本数のセラミックを勧める歯科医は、『自然な見た目のセラミックを作る技術力』が不足している可能性があります。

自然な見た目のセラミックが作れない歯科医が、健康な歯まで全てセラミックで治療して、前歯をセラミックで統一したとしても、人工的な見た目で統一されてしまい自然な見た目には近づきません。実際に当院のセラミック矯正のリカバリー治療を受診される多くの患者様が、他院でこのような治療を受けたことが理由で当院の受診に至っています。

いま現在セラミック矯正で後悔されている方へ

いま現在セラミック矯正で後悔されている方へ

セラミック矯正を行って後悔されている方、セラミック矯正は失敗だったと感じている方は、沢山いらっしゃいます。後悔や失敗の原因は、セラミック矯正そのものではなく、医院選びが良くなかったという場合が多いように感じます。

過去にされたセラミック矯正で後悔していて、セラミック矯正の再治療を希望される方の多くは、一度失敗している以上なかなか再治療に踏み出せないとおっしゃいます。実際にセラミック矯正のリカバリーには高い技術が必要となり、技術が伴わない状態で再治療を行っても、元々の状態よりも悪くなってしまうこともあります。

そのためセラミック矯正の再治療は、どこの歯科医院でも行う事ができる訳ではありません。当院では、セラミック矯正のリカバリーを専門的に行っておりますので、現在セラミック矯正で後悔している、失敗したと感じている方は一度以下のページをご覧ください。

まとめ:健康な歯とセラミックを調和させることが大切です

まとめ:健康な歯とセラミックを調和させることが大切です

このページでは、歯の詰め物や被せ物は銀歯やレジンなどの保険診療の材料で十分なのでは?セラミックを勧める歯医者は信用できない?といった疑問にお答えしました。

結論としては、多くの症例においてセラミックは銀歯やレジンよりも優れた素材であり、当院としてもセラミックでの治療をお勧めする機会が多くございます。

だからといって、歯科医院で健康な歯にまでセラミックを勧められた際は、注意が必要です。一度セラミック治療で削った歯は元に戻せないので、慎重に治療を検討する必要があります。実際に当院のセラミック矯正のリカバリー治療を受診される多くの患者様が、他院で健康な歯までセラミック治療を行ってしまい、後悔していたり仕上がりに満足できずに当院の受診に至っています。

当院では、難易度の高い『セラミック矯正の再治療』を専門的に行っております。セラミック矯正の歯をリカバリーするのは非常に難易度が高く、どの医院でもできるような治療ではありません。当院では日本有数のセラミック専門歯科技工士と、噛み合わせ専門医の院長が密に連携をとりながらリカバリー用の被せ物を制作することで、これまで何症例もの難易度の高いセラミックの再治療を手掛けております。

初めてセラミック矯正を行う方はもちろん、他院で行ったセラミック矯正の見た目に違和感やご不満をお持ちの方は、ぜひ一度当院へお問い合わせください。カウンセリングは無料ですので、お気軽にご相談くださいませ。

articles