『セラミックとハイブリッドセラミックって別物?』
『ハイブリッドセラミックで治療して後悔している人がいるって本当ですか?』
『結局どんな素材を選べばいいのかわからない』
虫歯の治療や欠けてしまった歯の治療、審美性のためのセラミック矯正など、近年さまざまな治療でセラミックを扱う機会が増えています。そんなセラミック治療ですが、セラミックにもさまざまな種類があることはご存知ですか?今回はさまざまなセラミック素材の中から、選択して後悔したというお声を聞くことの多い『ハイブリッドセラミック』という素材についてご紹介します。
ハイブリッドセラミックという素材は、使用してはいけないというわけではありませんが、素材の特徴や性質を知らずに治療を受けると、治療後に後悔してしまう原因になります。そのためセラミック治療を受ける前に、さまざまなセラミック素材についてよく知っておくことが大切です。
当院では、他院で行ったセラミック矯正のやり直し(リカバリー)を専門的に行っております。セラミック矯正のやり直しは難易度の高い治療のため、どこの歯科医院でも行えるというわけではありませんが、当院では専門的に行っておりますのでご安心ください。
まずは一度、当院のセラミック矯正の症例をご覧ください。症例をご覧いただけば当院の技術力が一目でご理解いただけます。また、当院ではセラミック矯正や他院でのセラミック矯正のやり直しの治療をご希望の方に、無料でのカウンセリングを行っております。お気軽にご相談へお越しください。
ハイブリッドセラミックとは?
ハイブリッドセラミックで後悔する原因をご説明する前に、まずはハイブリッドセラミックとは何なのか?どのような特徴を持つ素材なのか?といった基本的な内容についてご紹介いたします。
ハイブリッドセラミックは、セラミックという名前のため、白くてツルツルとした陶器のような素材をご想像するかと思いますが、実はセラミックよりもプラスチック(レジン)に近い素材です。一般的な保険診療で使用される『レジン』という歯科用のプラスチック素材に、少量のセラミックを混ぜ込んだ素材を、ハイブリッドセラミックと呼んでいます。
ハイブリッドセラミックは保険適用される?
ハイブリッドセラミックによる治療は、適用範囲が限られますが、保険診療でも行うことが可能です。保険診療においてはCAD/CAM冠もしくはCAD/CAMインレーという名前で、一定の条件のもとで被せ物・詰め物として使用されています。
CADはコンピューターを使用して被せ物や詰め物を設計するシステムのことで、患者様の歯の型に合わせてコンピューターが自動でハイブリッドセラミックによる被せ物・詰め物を設計します。
ハイブリッドセラミックが保険適用されるのは、CAD/CAD冠・CAD/CADインレーのみで、一般的なセラミック治療のような歯科技工士が制作する手作業のものは、ハイブリッドセラミックでも自費診療の適用となります。
ハイブリッドセラミックのメリットについて
ハイブリッドセラミックで後悔する方が多いとお話しましたが、ハイブリッドセラミックが絶対に悪い素材というわけではなく、患者様の考え方や適応症例によっては優れた選択肢にもなります。
ハイブリッドセラミックは、保険診療を前提とした治療においては、非常にメリットの多い素材です。まずはハイブリッドセラミックのメリットについて、簡単にご紹介させていただきます。
- 治療費用が安い
- レジンよりも変色しにくく、自然な見た目になりやすい
- 金属アレルギーの方でも治療を行える
以下でそれぞれ詳しくご説明いたします。
治療費用が安い
ハイブリッドセラミックの大きなメリットとして、治療費用の安さが挙げられます。通常のセラミック治療は保険適用外の自費診療ですが、ハイブリッドセラミックによる治療は、条件を満たした場合であれば保険診療で行うことが可能です。
審美目的のセラミック矯正などは、ハイブリッドセラミックであっても保険適用外となりますが、それでもオールセラミックやジルコニアなどの素材と比較すると、比較的少ない費用負担で治療を行えます。
レジンよりも変色しにくく、自然な見た目になりやすい
一般的に保険診療の被せ物や詰め物では、レジンと呼ばれる歯科用のプラスチックが使用されます。レジンは耐久性が低く変色しやすいため、審美性に劣ることが知られています。
ハイブリッドセラミックはレジンにセラミックを混ぜているため、レジンと比較すると審美性が高く、変色も起きにくいという特徴があります。
金属アレルギーの方でも治療を行える
従来の銀歯による詰め物や被せ物は、金属アレルギーのリスクがありました。ハイブリッドセラミックには金属が使用されていないので、金属アレルギーをお持ちの方でも安心して使用することができます。
注意点として、歯の被せ物には見た目は白くてセラミックのようでも、内側に金属のフレームを使用しているものもございます。金属アレルギーが心配な方は、治療前に必ず歯科医師に相談しておきましょう。
ハイブリッドセラミックの6つのデメリットについて
続いてハイブリッドセラミックのデメリットをお伝えします。自費診療を前提としてセラミック治療で使用する素材を選ぶ場合、当院ではハイブリッドセラミックはデメリットの多い素材だと考えています。
- 審美性が低い
- 経年劣化しやすい
- 汚れや歯垢が落ちにくい
- 二次カリエスのリスクが高い
- 強度が低く割れやすい
- 口臭の原因になることがある
以下でそれぞれ詳しくご説明いたします。
審美性が低い
保険診療の素材としては審美性の高いハイブリッドセラミックですが、自費診療で扱える素材の中では審美性に劣ります。
一般的なセラミック治療で使用するオールセラミックは透明感があり自然な歯の見た目を再現できます。対してハイブリッドセラミックはグラデーションや色の細かな調整ができず、透明感も少ないため人工物らしさが感じられます。
また経年劣化による変色や着色が起きやすく、治療直後は見た目に美しく仕上がっていても、年数が経つにつれて審美性が低下してしまうことがあります。
経年劣化しやすい
ハイブリッドセラミックはレジンを使用しているため、レジンと同様に経年劣化しやすいという特徴があります。セラミックを混ぜているためレジンに比べると経年劣化は緩やかですが、経年劣化によって割れたり欠けてしまう、変形してしまう、また上述の通り変色してしまうことがあります。
汚れや歯垢が落ちにくい
ハイブリッドセラミックは、素材の主な成分がレジン(プラスチック)で出来ているため、オールセラミックと比較して汚れや歯垢が落ちにくいことが知られています。オールセラミックは陶器のようにツルツルとしていて汚れがつきにくく、しっかりと歯磨きをすれば歯周病や虫歯になりにくいと言われています。対してハイブリッドセラミックはレジンが含まれているため、汚れがくっつきやすく、歯磨きなどで綺麗に汚れを落としきれません。
身近なもので例えると、お風呂場の排水溝などのプラスチックの箇所に汚れがついた時は、ブラシなどで擦ってもなかなか汚れが落ちないことがイメージできるかと思います。対して陶器のお皿(セラミック)は、油汚れも少し洗えば簡単にツルツルと綺麗になります。
二次カリエスのリスクが高い
ハイブリッドセラミックは上述の通り、汚れがつきやすかったり、経年劣化によって変形しやすかったりするため、二次カリエス(被せ物・詰め物の内側で虫歯が再発すること)のリスクが高いと言われています。
二次カリエスになった場合、被せ物を外して虫歯の部分を削る必要があります。最初に虫歯治療で歯を削った時よりも、さらに深く歯を削る必要があるため、歯の寿命が短くなってしまいます。
また被せ物を外した後に歯を削ると、被せ物との適合が変わってしまうため、再度被せ物を作り直す必要があり、その分の費用もかかります。
強度が低く割れやすい
ハイブリッドセラミックはレジンを使用しているため、オールセラミックと比較して強度が低く、割れや欠けが生じやすいです。そのため特に噛み合わせの強い奥歯などでは、ハイブリッドセラミックはあまりおすすめできません。
オールセラミックよりも費用負担の少ないハイブリッドセラミックですが、割れや欠けによる作り直しを行った結果、最初からオールセラミックにしていた方が費用が安かったと後悔される方もいらっしゃいます。
口臭の原因になることがある
ハイブリッドセラミックに含まれているレジンには吸水性があるため、吸水劣化を引き起こし、臭いの原因になる場合があります。劣化による変形が起き、土台の歯とハイブリッドセラミックの被せ物の間に隙間が生まれ、汚れが溜まってしまうことでも口臭が生じます。また表面にも汚れが付着しやすいため、付着した歯垢や歯石が原因で口臭を引き起こすこともあります。
ハイブリッドセラミックで後悔しないために
ここまで、ハイブリッドセラミックのメリットやデメリットについてご紹介しました。ハイブリッドセラミックは保険診療の素材としては比較的優秀ですが、自費診療で扱う素材としてはおすすめできません。そのため当院では、セラミック治療の際にハイブリッドセラミックは使用しておりません。
ハイブリッドセラミックで後悔しないためには、患者様ご自身がどのような治療を望まれているのか、しっかりと考えてみることが大切です。自費診療には抵抗があり、保険診療で白くて綺麗な被せ物の治療を受けたいということであれば、ハイブリッドセラミックのCAD/CAM冠を使用されるのも、一つの選択肢なのだと思います。
ですが、もしもご自身の歯をなるべく大切にして長持ちさせたい、より審美的で自然な見た目の被せ物の治療を受けたいといったご希望であれば、ハイブリッドセラミックを選ぶのはおすすめできません。当院のカウンセリングでも丁寧にご説明いたしますが、オールセラミックやジルコニアセラミック(PFZ)を選んでいただくことで、自然な審美性で長持ちする被せ物の治療を行うことができます。
これらの素材は確かにハイブリッドセラミックよりも費用負担が大きくなりますが、より長持ちさせやすく作り直しや修理が必要になることが少ないため、長期的に考えるとハイブリッドセラミックよりも費用負担が少なく済んだというケースも珍しくありません。
まとめ:自費診療でハイブリッドセラミックはおすすめできません
このページでは、セラミック治療を検討されている方に、ハイブリッドセラミックのメリットやデメリット、ハイブリッドセラミックを選んで後悔する方が多い理由についてご説明いたしました。
ハイブリッドセラミックはレジン(歯科用プラスチック)にセラミックを混ぜ込んだ素材のため、レジンのように経年劣化したり変色を起こします。また汚れが落ちにくいため、虫歯や歯周病、口臭の原因になることもございます。
自費診療は検討しておらず、保険診療で白くて綺麗な被せ物の治療を受けたいということであれば、ハイブリッドセラミックのCAD/CAM冠は良い選択肢かと思います。ですがもしも自費診療で、ご自身の歯をなるべく大切にして長持ちさせたい、より審美的で自然な見た目の被せ物の治療を受けたいといったご希望をお持ちであれば、ぜひオールセラミックやジルコニアセラミック(PFZ)を選択してください。
当院では、他院で行ったセラミック矯正のやり直し(リカバリー)を専門的に行っております。セラミック矯正のやり直しは難易度の高い治療のため、どこの歯科医院でも行えるというわけではありませんが、当院では専門的に行っておりますのでご安心ください。
まずは一度、当院のセラミック矯正の症例をご覧ください。症例をご覧いただけば当院の技術力が一目でご理解いただけます。また、当院ではセラミック矯正や他院でのセラミック矯正のやり直しの治療をご希望の方に、無料でのカウンセリングを行っております。お気軽にご相談へお越しください。