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セラミック矯正と歯列矯正(ワイヤー・マウスピース)どちらがおすすめ?

『セラミック矯正と歯列矯正、どっちを選んだらいいんだろう?』
『手軽で治療期間が短いセラミック矯正を選びたいけれど、デメリットはないのかな?』

一昔前まで、歯並びでお悩みの場合は、目立つワイヤーを装着して矯正治療を行うのが一般的でした。近年ではマウスピース矯正も登場しましたが、ワイヤー矯正もマウスピース矯正も年単位の長期間、矯正装置を装着して歯列を動かすという点は共通しています。

そんな中で、「短期間で歯列矯正を行いたい」「長期間通院するのは難しい」「もっと手軽に歯の見た目を綺麗にしたい」といった患者様のご要望に応えられるとして注目を集めているのが、セラミック矯正です。

従来の歯列矯正が実際に歯を動かして治療を行うのに対して、セラミック矯正は歯を動かすことなく見た目を改善することができる治療です。歯を動かさないため、従来の歯列矯正よりも圧倒的に短い期間で治療を終えることができ、近年人気が高まっています。

そんなセラミック矯正ですが、短期間で治療を行える代わりにさまざまなデメリットもございます。このページでは、セラミック矯正と歯列矯正を比較し、メリット・デメリット・どちらを選ぶべきなのか、といった点をご説明いたします。

当院では、日々多くのセラミック矯正を行っております。通常のセラミック矯正だけでなく、他院で受けたセラミック矯正のリカバリー治療(再治療)も行っております。セラミック矯正のやり直しは難易度の高い治療のため、どこの歯科医院でも行えるというわけではありませんが、当院ではセラミック矯正のリカバリーを専門的に行っておりますのでご安心ください。

まずは一度、当院のセラミック矯正の症例をご覧ください。症例をご覧いただけば当院の技術力が一目でご理解いただけます。また、当院ではセラミック矯正や他院でのセラミック矯正のやり直しの治療をご希望の方に、無料でのカウンセリングを行っております。お気軽にご相談へお越しください。

セラミック矯正と歯列矯正の違いとは?

まずはセラミック矯正と従来の歯列矯正の違いについて、簡単にご紹介させていただきます。

セラミック矯正とは

セラミック矯正とは

セラミック矯正は、元々のご自身の歯を削り、その上にセラミックでできた被せ物を被せることで、歯の形や大きさ、向き、色などを整えて綺麗な歯並びに見えるように調整する治療です。

歯列矯正と混同して語られることが多いですが、セラミック矯正では歯を動かさないため、歯列矯正とは全く異なる治療です。厳密には矯正治療というよりも、審美治療というのが適しているのかもしれません。

審美治療の側面が強い治療ではありますが、セラミックの被せ物の形態をうまくコントロールすれば、噛み合わせの改善やお口の清掃性の改善にも寄与するため、歯を動かすことなく審美性・機能性ともに改善することが可能です。

歯列矯正とは

歯列矯正とは、実際に歯を動かすことで歯並びや噛み合わせを整える治療です。セラミック矯正との大きな違いとして歯の動きの有無や、それに伴う治療期間の長短が挙げられます。

歯列矯正は主に以下の2種類に分けられます。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正

ワイヤーやマウスピースなどの装置を使用して、噛み合わせや歯並びを改善する治療になります。徐々に歯を動かすため、長い期間がかかります。ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれる器具を装着し歯を動かす治療で、目立ちにくい歯の裏側にブラケットを装着する裏側矯正、段階的にマウスピースを交換して歯を動かすマウスピース矯正などさまざまな種類の治療方法があります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる装置を歯に装着し、ワイヤーを通して動かしたい方向へ向かって歯に力を加えることで、歯を移動させて歯並びを整える治療法です。矯正治療と聞いてほとんどの方が真っ先に思い浮かべるのが、ワイヤー矯正ではないでしょうか。

ワイヤー矯正には、歯の表側に装置をつける表側矯正と、歯の裏側に装置をつける裏側矯正の2種類があり、表側矯正が約80万円〜120万円、裏側矯正は約100万円〜150万円ほど治療費用がかかります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正

マウスピース矯正は透明のマウスピースを使用した歯列矯正です。現在の歯並びと少しだけ異なる形状のマウスピースを装着し、理想的な歯並びになるまで何枚もマウスピースを付け替えることで、段階的に歯を動かします。

ワイヤー矯正と比較して目立ちにくく、歯が動く痛みも比較的少ない傾向にある点が特徴です。ただし症例によってはマウスピース矯正では治療が難しい場合もあり、対応できる症例の範囲はワイヤー矯正よりも狭くなります。

マウスピース矯正で最も有名なインビザラインの場合、治療費用は約70万円〜100万円ほどであることが多いです。

セラミック矯正のメリット・デメリットについて

ここからは、歯列矯正と比較した際のセラミック矯正のメリットやデメリット、どのような人がセラミック矯正に適しているのか、といった点をご紹介いたします。

セラミック矯正には歯列矯正と比べ、さまざまなメリットがありますが、大きなデメリットも存在する治療です。現在セラミック矯正を検討されている方は、必ずセラミック矯正のデメリットもご確認いただくようにお願いします。

セラミック矯正の3つのメリット|歯列矯正と比較

歯列矯正と比較したセラミック矯正の大きなメリットは、主に以下の3点です。

  1. 短期間で見た目を改善できる
  2. 治療後に後戻りができない
  3. 歯の色や形、大きさを変更できる

これらのメリットについて、以下でより詳しくご説明いたします。

①短期間で見た目を改善できる

①短期間で見た目を改善できる

セラミック矯正の大きなメリットとして、歯列矯正と比較して治療期間が非常に短く、通院回数が少ない点が挙げられます。

一般的な歯列矯正の治療期間は、短くて1年半程度、長ければ3年程度かかる場合があります。対してセラミック矯正は、約1ヶ月〜2ヶ月程度で治療が完了します。結婚式や就活などを控えており、今すぐに歯並びを綺麗に整えたいといった方の要望にも応えることができる治療です。

治療期間中の通院についても、歯列矯正は毎月1回程度の通院が必要になるため、治療を終えるまでに数十回通院するのが一般的です。セラミック矯正であれば、数回の通院で治療を完了できるため、患者様のご負担を軽減することができます。

またセラミック矯正はワイヤー矯正のように目立つ装置を装着しないため、治療期間中も見た目を損なうことがありません。歯を削ってからセラミックの被せ物を装着するまでの間は仮歯を装着するため、審美性を損なわずに治療中の生活を送ることができます。

②治療後に後戻りが起きない

歯列矯正の治療を終えた後、『後戻り』という歯が元の場所に戻ってしまう現象が起きることがあります。後戻りを防ぐためには、治療が終わった後にさらに2年〜3年ほど、保定装置という歯の位置を固定するための装置を装着しなければなりません。

保定装置を装着せずに後戻りが起きてしまい、矯正治療をやり直すことになる方も少なくありません。

セラミック矯正は、そもそも歯を動かさない治療のため、後戻りが起きることがありません。後戻りが起きないため、保定装置を装着する必要もありませんので、ご安心ください。

③歯の色や形、大きさを変更できる

セラミック矯正は、歯並びを整えるだけでなく、歯の色や形、大きさも患者様のご希望に沿った被せ物を製作することができます。芸能人のような真っ白な見た目の歯列にすることも、自然で天然歯とよく馴染むような見た目の歯列にすることも可能です。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正では、歯の色や形、大きさを整えることはできません。患者様の中には、まずは歯列矯正で歯並びそのものを改善した後に、セラミック矯正を行い歯の色や形を整える方もおられます。

セラミック矯正の3つのデメリット|歯列矯正と比較

先述した通り、セラミック矯正にはメリットだけではなく、デメリットも存在しております。またセラミック矯正のデメリットは非常に大きく、デメリットについて理解されないまま治療を受けてしまい、後に治療を後悔してしまうようなケースもございます。

ここではセラミック矯正の主なデメリットを3つご紹介しますので、必ずご確認ください。

  1. 健康な歯を削ってしまう
  2. 歯の神経を抜く場合がある
  3. セラミックには寿命がある

以下でさらに詳しくご説明いたします。

①健康な歯を削ってしまう

セラミック矯正の非常に大きなデメリットとして、患者様ご自身の歯を削る必要がある点が挙げられます。セラミック矯正は歯の上にセラミック製の被せ物を被せる都合上、歯を削って一回り小さくする必要があります。

一度削ってしまうと歯は元に戻ることはありません。また、歯を削れば削るほど、歯の寿命は短くなると言われています。

患者様の健康な歯を削ることには、大きなリスクがあることをご理解いただいた上で、治療をご検討ください。

②歯の神経を抜く場合がある

セラミックの被せ物を装着する際に、患者様の理想とする歯列の見た目を実現するためには、歯を大きく削らなければいけない場合があります。歯を大きく削ると、歯髄と呼ばれる歯の神経を含んだ組織が露出してしまう可能性があります。また歯髄が露出しない場合でも、歯髄を覆う歯質が薄くなりすぎると、外部からの刺激に過敏になってしまうことがあります。

こういった場合、歯髄を抜く処置が必要になりますが、歯髄を抜くと歯の寿命は大幅に短くなってしまいます。

当院では歯髄を抜くことによる歯へのデメリットを非常に重く捉えており、当院のセラミック矯正で歯髄を抜くことはありません。どうしても歯の神経を抜く必要があるようなケースでは、短期間のマウスピース矯正を組み合わせて治療を行い、歯を削る量を少なくして歯髄を抜くことを回避します。

③セラミックには寿命がある

セラミックは耐熱性と耐久性が高い素材です。定期的なメンテナンスを欠かさないことで、10年〜20年と使い続けることも可能です。しかしメンテナンスを欠かしてしまったり、歯の食いしばり癖や歯をぶつけてしまったりといったことが原因で、セラミックが破損してしまう場合がございます。

セラミックが破損した際には、作り直しに再度費用がかかります。またセラミックを作り直す際には、土台となっている歯にも負担がかかるため、歯の寿命を縮めてしまう場合もあります。

歯列矯正とセラミック矯正、どちらがおすすめ?

歯列矯正とセラミック矯正、どちらがおすすめなのかは、患者様のご要望やお悩み、現在の歯並びや口腔状態によっても変わります。さらにメリット・デメリットも合わせて考えると、『結局、歯列矯正とセラミック矯正、どちらを選べばいいかわからない』と思われた方も多いのではないでしょうか。

当院の見解としては、まず前提として、セラミック矯正は安易に患者様におすすめできる治療ではないと考えております。健康な歯を削ってセラミック矯正を行うことには、相応のリスクがございます。そのため、当院ではセラミック矯正について、患者様に積極的におすすめはいたしません。

しかし、患者様によっては結婚式などのイベントが控えていたり、人前に出るお仕事をされている方など、どうしても短期間で歯並びを改善したい場合もあるかと思います。しっかりとデメリットやリスクも考慮した上で、メリットの方が大きいと患者様ご自身が判断された場合のみ、当院ではセラミック矯正を行っております。

当院でセラミック治療は健康な歯を削る場合でも、なるべく歯の健康を損なわずに、デメリットやリスクを軽減できるようなセラミック矯正を心がけております。

当院のセラミック矯正|患者様の負担を減らす3つの取り組み

当院ではセラミック矯正のリスクやデメリットをなるべく軽減し、患者様の歯に負担をかけないために、さまざまな取り組みを行っております。

ここでは当院が患者様のご負担を減らすために行っている取り組みを、3つご紹介させていただきます。

  1. なるべく歯を削らず、神経を抜かない
  2. 短期間のマウスピース矯正を併用する場合も
  3. より長持ちする精密で美しいて被せ物の製作

①なるべく歯を削らず、神経を抜かない

当院のセラミック矯正は、歯を削る量を最小限に抑え、そして神経を抜くことはしない治療を心がけています。

セラミック矯正を行う際には、必ず歯を削る必要があり、削ることによる歯への負担をなくすことはできません。ただし歯を削る量を最小限に抑えることで、歯への負担を軽減することはできます。当院では歯への負担を極力減らすために、歯を削る量を最小限に抑えた治療を行います。

また歯を削るのと同様に、歯の軸の変更や神経を抜くことも、歯への負担が非常に大きくなります。特に神経を抜いてしまった歯は『無髄歯』と呼ばれ、脆く弱くなってしまうため、当院ではセラミック矯正のために歯の神経を抜くことはいたしません。

②短期間のマウスピース矯正を併用する場合

②短期間のマウスピース矯正を併用する場合

患者様の理想の歯並びと現在の歯並びの間に大きなギャップがあるようなケースでは、どうしても歯の神経を抜かなければいけない場合や、歯の軸を変えないといけない場合がございます。しかしそういった治療を行っても、その後のセラミックにした歯は長持ちしにくく、長期的に見て大きなリスクを抱えることになってしまいます。

そのため、当院では上記のようなケースの場合、短期間のマウスピース矯正を組み合わせたセラミック矯正をご提案しております。歯の神経を抜いたり、歯の軸を変えることなく治療ができる程度までマウスピース矯正で歯を動かします。

マウスピース矯正により、理想の歯並びに近い状態からセラミック矯正を行うことで、歯の神経を抜いたり歯の軸を変更したりせずに、歯にかかる負担を軽減して治療を行うことができます。

③より長持ちする精密で美しい被せ物の製作

セラミック矯正の被せ物の形態が悪ければ、噛み合わせの負荷がうまく分散できずに割れや欠けの原因になってしまいます。また、精度が悪く土台と被せ物の間に隙間ができてしまうと、被せ物の内部に汚れが溜まり、虫歯や歯周病の原因になります。

当院ではセラミック矯正をより長持ちさせるために、被せ物の精度や形態にこだわりを持ち、非常に精密で長持ちする被せ物を製作しております。

精密な被せ物を制作することで、歯との密着性が高まり隙間が生まれないことで、被せ物の内部に汚れが溜まりにくく、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。このような精密な被せ物の製作を実現するために、日本有数のセラミック専門の歯科技工士と連携し、顕微鏡を使用した手作業での被せ物の製作を行っております。

また当院の院長は噛み合わせの専門医を取得しており、お口全体の噛み合わせを考慮したセラミック矯正が可能です。そのためセラミックの歯に必要以上の負担がかかりにくく、セラミックが割れる、欠ける、といったトラブルが起こりにくい治療を行えます。

まとめ:安易なセラミック矯正にはご注意ください

このページではセラミック矯正と歯列矯正はどちらを選べばいいのか?といった疑問にお答えするために、セラミック矯正のメリットやデメリット、どのような患者様にお勧めできる治療なのか、といったことをご紹介しました。

セラミック矯正は歯列矯正に比べると、短期間で治療を終えられることや、審美性に優れているというメリットがあります。そのため、長期間の治療や通院が難しい患者様や、今すぐ歯列の見た目を改善したいといった患者様から人気の高い治療です。

しかし、健康な歯を削る必要があったり、歯の神経を抜く場合があるといったデメリットも存在しており、これらのデメリットは長期的に考えると患者様にとって大きなリスクであると当院では考えております。

そのため当院では、セラミック矯正を安易に患者様におすすめすることはありません。時間をかけてでも、歯の健康を損なわないように歯列矯正などを行うことをおすすめしております。その上で、デメリットやリスクも理解した上でセラミック矯正を行いたいというご希望がある場合のみ、なるべく歯に負担をかけないセラミック矯正を行わせて頂いております。

当院ではセラミック矯正をご希望の患者様に、無料でのカウンセリングを行っております。無料カウンセリングの結果、治療を見送るというご判断をしていただいても問題ありません。ご自身に適した治療がわからない、セラミック矯正に興味はあるけれどあと一歩踏み出せない、という方はぜひお気軽に当院の無料カウンセリングをご活用ください。

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